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針線餘事(森田たま 著、中谷宇吉郎 扉絵)★函なし裸本
森田たまは、雑誌『少女世界』への投稿が認められ、10代の時に札幌から上京し、少女小説でデビュー。戦前戦後にわたって数多くの随筆を著し、女性エッセイストの先駆けとなった。
太平洋戦争開戦後まもなく刊行された随筆集。
戦火はまだ日常にまではおよばず、おだやかに過ぎてゆく暮らしの風景を綴った30余篇と、巻末には俳句を収録。扉に「雪は天から送られた手紙である」という言葉で知られる物理学者・中谷宇吉郎の挿絵が使われている。
ちなみに「針線」とは「針仕事」のこと。第一随筆集に使いたかった題名を、満を持して使用したと記されている。
函なし裸本ですが、着物柄をモチーフとした自装による表紙デザインが魅力的です。
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山のホテル生活も、もはや半年にならうとしてゐる。思ひがけない病気などして、そのあとの恢復がはかばかしくないため、いつとなく日が過ぎてゆくのであつた。人に會へば、よくまあお飽きになりませんことと呆れられるが、私は一體に順應性が強いのであらう。ホテルにゐればゐるで、その朝夕がだんだん身にしみついてきて、東京へ歸りたいとも、芝居映畫を見たいとも思はないのである。
(「山上の味覺」より)
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◎Contents
針線餘事
秋色のぼりべつ
手袋
ふるさとの雪
旅と女
生まれ年
マヨネエズ
映畫二つ
垣根のそと
北町區役所前
小學生の綴方
イアリング
縞と絣
くにの着物
わが讀書
一泊旅行
龍華寺
こぶしの花
青野を讀む
銀座の話
手紙について
俳句 ほか
絶版または版元品切れ
ハードカバー クロス装
□publisher:中央公論社
□date of issue:1943年 2刷(1942年 初版)
□size:18.6x13.5cm
□page:281
□condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷み
背ヤケ退色 三方ヤケ 経年シミ
★函なし裸本
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
太平洋戦争開戦後まもなく刊行された随筆集。
戦火はまだ日常にまではおよばず、おだやかに過ぎてゆく暮らしの風景を綴った30余篇と、巻末には俳句を収録。扉に「雪は天から送られた手紙である」という言葉で知られる物理学者・中谷宇吉郎の挿絵が使われている。
ちなみに「針線」とは「針仕事」のこと。第一随筆集に使いたかった題名を、満を持して使用したと記されている。
函なし裸本ですが、着物柄をモチーフとした自装による表紙デザインが魅力的です。
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山のホテル生活も、もはや半年にならうとしてゐる。思ひがけない病気などして、そのあとの恢復がはかばかしくないため、いつとなく日が過ぎてゆくのであつた。人に會へば、よくまあお飽きになりませんことと呆れられるが、私は一體に順應性が強いのであらう。ホテルにゐればゐるで、その朝夕がだんだん身にしみついてきて、東京へ歸りたいとも、芝居映畫を見たいとも思はないのである。
(「山上の味覺」より)
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◎Contents
針線餘事
秋色のぼりべつ
手袋
ふるさとの雪
旅と女
生まれ年
マヨネエズ
映畫二つ
垣根のそと
北町區役所前
小學生の綴方
イアリング
縞と絣
くにの着物
わが讀書
一泊旅行
龍華寺
こぶしの花
青野を讀む
銀座の話
手紙について
俳句 ほか
絶版または版元品切れ
ハードカバー クロス装
□publisher:中央公論社
□date of issue:1943年 2刷(1942年 初版)
□size:18.6x13.5cm
□page:281
□condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷み
背ヤケ退色 三方ヤケ 経年シミ
★函なし裸本
» 随筆・エッセイ
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