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随筆 町ッ子(獅子文六 著、芹沢銈介 装幀)
晩年の獅子文六が、70余年の来し方を振り返り、思い出をひとつひとつ噛み締めるように綴った随筆集。人間国宝・芹沢銈介が手がけた民芸美あふれる装幀が、本書の魅力を高めている。
表題作「町ッ子」では、山の手生まれでありながら、町ッ子(下町の子の意味)の気質をそなえた自らの子供時代を、懐かしく振り返っている。
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町ッ子は、自分のことをアタイといい、友達のことを、オマイと呼んだ。これは山の手のボク、キミに対して、甚だ対立的だった。私なぞは横浜の山の手の子であったのに、幼時から自分をアタイという習慣があり、幼稚舎へ入ったら、誰もキミ・ボクなので大いに、とまどった。
ところが、町ッ子の幼稚舎生と親しくなると、対手が、ふと、アタイだの、オマイだのという語を洩らすのである。故郷へ帰ったような、親近感が湧かずにいなかった。
(「町ッ子」より)
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◎Contents
町ッ子
ふるさと横浜
関西の旅とコメディ・フランセーズ
マロン・グラッセの教え
外国の文士
ユーモア・クラブの頃
『可否道』を終えて
『娘と私』
ゴルフと自動車
煙草が一番
老人宣告 ほか
絶版または版元品切れ
ハードカバー 函
□publisher:雪華社
□date of issue:1964年 初版
□size:20x14cm
□page:263
□condition:経年なり・良好 函スレ
小口薄シミ 経年シミ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
表題作「町ッ子」では、山の手生まれでありながら、町ッ子(下町の子の意味)の気質をそなえた自らの子供時代を、懐かしく振り返っている。
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町ッ子は、自分のことをアタイといい、友達のことを、オマイと呼んだ。これは山の手のボク、キミに対して、甚だ対立的だった。私なぞは横浜の山の手の子であったのに、幼時から自分をアタイという習慣があり、幼稚舎へ入ったら、誰もキミ・ボクなので大いに、とまどった。
ところが、町ッ子の幼稚舎生と親しくなると、対手が、ふと、アタイだの、オマイだのという語を洩らすのである。故郷へ帰ったような、親近感が湧かずにいなかった。
(「町ッ子」より)
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◎Contents
町ッ子
ふるさと横浜
関西の旅とコメディ・フランセーズ
マロン・グラッセの教え
外国の文士
ユーモア・クラブの頃
『可否道』を終えて
『娘と私』
ゴルフと自動車
煙草が一番
老人宣告 ほか
絶版または版元品切れ
ハードカバー 函
□publisher:雪華社
□date of issue:1964年 初版
□size:20x14cm
□page:263
□condition:経年なり・良好 函スレ
小口薄シミ 経年シミ
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