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漱石、ジャムを舐める(河内一郎 著)

漱石、ジャムを舐める(河内一郎 著)
胃弱なのに濃厚な味を好み、門下生が集まれば必ず牛鍋を囲む。医者に止められながらも、甘い苺ジャムをおやつに舐める……。

食品商社に勤めつつ、長年にわたって漱石研究に打ち込んだ著者が、作品や日記に記された「食」の嗜好を丹念に読み解き、文豪の素顔をあぶり出した快著。

漱石が生きた時代の詳細な食文化年表、物価表、漱石の収入、家計簿など、巻末に120ページ以上に及ぶ資料を掲載。在野の研究者である著者が漱石に注いだ情熱に感じ入る。
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この頃の漱石は、朝食では食パンの耳を切り、火鉢で焼いて砂糖を付けて食べていたという。
次男の伸六氏の思い出によると、晩年の早稲田南町時代には、もうジャムは舐めていなかったそうである。「多分、千駄木時代に、余りジャムをなめ過ぎて、それで当時は、もう医者から、ジャムを厳禁されて居たのかも知れない」とのことである。

(「第一部 作品に見る食文化史」より)
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◎Contents
▶︎第一部 作品にみる食文化史
1 漱石の食卓
 パンと砂糖(朝食)
 御菜(昼食と夕食)
2 西洋料理とデザート
 西洋料理
 西洋菓子
 アイスクリーム
 サンドイッチ
 ジャム
 果物
3 飲み物
 酒(正宗と白牡丹)
 ビール
 赤酒
 お茶
 平野水と金明水
 牛乳
4 食材
 御台場の肴
 豆腐
 鰹節
 與津鯛
5 日本料理
 天ぷら
 握り鮨
 牛肉・牛鍋
 そばとうどん
 駅弁
6 菓子
 空也餅
 岡山の吉備団子
 安倍川餅
 蕪村の羊羹
 芋坂の団子(羽二重団子)
 金鍔と紅梅焼
 越後の笹飴
 松山の団子
7 飲食店
 竹葉亭と神田川の鰻
 松本楼
 掛茶屋
 帝国ホテル
 ビヤホール
 駒形どぜう
 川甚
 精養軒
 星岡茶寮
 汁粉屋
 酒場
▶︎第二部 食文化年表(慶応三年〜大正五年)
▶︎第三部 物価(明治〜大正期)
 夏目家の収入、家計簿

解説:「漱石学」の一成果(出久根達郎)

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:新潮文庫
□date of issue:2008年初版
□size:15x10.5cm
□page:381
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ

» 随筆・エッセイ
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