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闘（幸田文 著）
「不治の病」であった結核が「治る病気」へと変わりつつあった時代。昭和中期の東京近郊の結核病棟を舞台に、「闘病」を通じて繰り広げられる人間の実相をとらえた長編小説。
10年以上闘病を続けている中年男、初めての入院生活にうろたえる左官の老爺、治っても社会復帰できないと悲観して心中をとげる若い男女…。ひとりの主人公に焦点を絞った物語ではなく、さまざまな患者、家族、医師、看護婦、付添婦たちをめぐる群像劇となっている。
著者ならでの鋭い観察眼をもって生と死のせめぎあいを見据える、昭和48年度・第12回女流文学賞受賞作の文庫版。
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一週間した。喜助の病気は、攻勢につぐ攻勢で押しまくって来、先生と婦長は一生懸命だった。当の本人はもう自分の躰を放擲したような様子で横たわり、精神も半分がたはもうろうとかすみ、そこにいるのは喜助という人間というより、病気に占領されている人体といった感じだった。（略）
戦っているのは医師と看護婦であり、では本人は何をしているのかといえば、病気と医師との戦いの場として、自分のからだを提供している、というような形にみえて、省吾はしばしばへんな気がするのだった。
（「本文」より）
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher：新潮文庫
□date of issue：1984年初版
□size：15x10.5cm
□page：313
□condition：経年なり・普通 カバースレ汚れ傷みシミ
経年シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
10年以上闘病を続けている中年男、初めての入院生活にうろたえる左官の老爺、治っても社会復帰できないと悲観して心中をとげる若い男女…。ひとりの主人公に焦点を絞った物語ではなく、さまざまな患者、家族、医師、看護婦、付添婦たちをめぐる群像劇となっている。
著者ならでの鋭い観察眼をもって生と死のせめぎあいを見据える、昭和48年度・第12回女流文学賞受賞作の文庫版。
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一週間した。喜助の病気は、攻勢につぐ攻勢で押しまくって来、先生と婦長は一生懸命だった。当の本人はもう自分の躰を放擲したような様子で横たわり、精神も半分がたはもうろうとかすみ、そこにいるのは喜助という人間というより、病気に占領されている人体といった感じだった。（略）
戦っているのは医師と看護婦であり、では本人は何をしているのかといえば、病気と医師との戦いの場として、自分のからだを提供している、というような形にみえて、省吾はしばしばへんな気がするのだった。
（「本文」より）
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher：新潮文庫
□date of issue：1984年初版
□size：15x10.5cm
□page：313
□condition：経年なり・普通 カバースレ汚れ傷みシミ
経年シミ
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