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或る男の断面(宇野千代 著、東郷たまみ 装画)
表題作『或る男の断面』は、激情の男・東郷青児との出会いから破局にいたる、自らの恋愛物語を赤裸々に綴った回想録。
日本で初めて世界的に知られるオペラ歌手となった三浦環の生き様を、愛人からの聞き書きによって綴った『三浦環の片鱗』を併載。
東郷青児の長女・東郷たまみが、カバー画を手がけている。
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「さうだ。東郷青児のところへ電話をかけて見よう。」とさう思つたとは、何と言ふことか。ガス自殺をしたばかりの男のところへ、電話をかけてその状況を訊くとは、一体どう言ふつもりであつたのか。(略)
「もし、もし、」と私は電話をかけた。「私はいま、ガス自殺をする男女の小説を書いてゐるところですが、その細かい様子が分からないで、困つてゐるのです。電話でちよつと、そのときの様子を話して下さいませんか。」と言ふと、東郷の笑ひ声が電話の向ふから聞こえた。
(「或る男の断面」より)
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◎Contents
或る男の断面
三浦環の片鱗
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:講談社
□date of issue:1984年初版
□size:19.5x13.5cm
□page:133
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
裏見返し ラベル剥がし跡
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
日本で初めて世界的に知られるオペラ歌手となった三浦環の生き様を、愛人からの聞き書きによって綴った『三浦環の片鱗』を併載。
東郷青児の長女・東郷たまみが、カバー画を手がけている。
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「さうだ。東郷青児のところへ電話をかけて見よう。」とさう思つたとは、何と言ふことか。ガス自殺をしたばかりの男のところへ、電話をかけてその状況を訊くとは、一体どう言ふつもりであつたのか。(略)
「もし、もし、」と私は電話をかけた。「私はいま、ガス自殺をする男女の小説を書いてゐるところですが、その細かい様子が分からないで、困つてゐるのです。電話でちよつと、そのときの様子を話して下さいませんか。」と言ふと、東郷の笑ひ声が電話の向ふから聞こえた。
(「或る男の断面」より)
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◎Contents
或る男の断面
三浦環の片鱗
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:講談社
□date of issue:1984年初版
□size:19.5x13.5cm
□page:133
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
裏見返し ラベル剥がし跡
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