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現代女學生の模範作文(西條千代子 編)
☆2024.1.27 再掲
本書は、巷によく見られる「手紙文例集」ではなく、戦前の高等女学校、女子師範学校の生徒が書いた「作文」の中から優秀作を選び、「添削」「評」を加えて編まれたもの。
身辺雑記的な「作文」がほとんどだが、下記のような「掌編小説」といっても過言ではない創作文や、「童話」や「戯曲」なども収められており、全体的に文章の熱量が高い。また、「途上にて陛下を拝す」といった題名に時代を感じる。
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夜です、夜です、エヂプトの夜です。今ナイルの河はささやかな月光をうつして小夜曲を奏で初めました。ピラミッドは星空に刺さり、異様のスフインクスはその姿態を月光にさらしてゐます。
(「あたしの想ひ」より)
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まだ二十越したとも思はれぬその狂女は、いつも素足で着物を長く、肩には、もすの袋を背負ってゐた。頭髪は美しく後へ垂れ下げ、千代紙を裂いてた畳んだもので、其の端を蝶々形に結んで居る。それは、丁度おすべらかしと云ふ昔の官女の髪格好に良く似てゐた。
(「狂女」より)
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◎Contents
▶︎一年生の作文
春
入學式
途上にて陛下を拝す
ひな物語
はねるお魚
遠泳
夏休み日記の中から
幸福な夜明
百米競争
逃げた文鳥に
昭和三年の回顧
眼を病みて
丸髷
私たちの進むべき道 ほか
▶︎二年生の作文
卒業生を送る
春の景色
野を耕す人
梅雨日記
白百合の咲く頃
障子の穴
あたしの想ひ
童話
狂女
涙
鋏の音 ほか
▶︎三年生の作文
新年の感
へへののもへじ
ハーモニカ
バザーの一節
うるほひ
久美ちやん
吊橋を渡る
馬車
子守唄
[戯曲]子に泣く人々 ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:西東社出版部
□date of issue:1933年 3版(1932年 初版)
□size:18.8x12.8cm
□page:254
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み
背破れ 経年シミ 裏表紙濡れシミ(写真10枚目)
P28〜31ページ上部にクリップ止めの錆跡あり
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
本書は、巷によく見られる「手紙文例集」ではなく、戦前の高等女学校、女子師範学校の生徒が書いた「作文」の中から優秀作を選び、「添削」「評」を加えて編まれたもの。
身辺雑記的な「作文」がほとんどだが、下記のような「掌編小説」といっても過言ではない創作文や、「童話」や「戯曲」なども収められており、全体的に文章の熱量が高い。また、「途上にて陛下を拝す」といった題名に時代を感じる。
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夜です、夜です、エヂプトの夜です。今ナイルの河はささやかな月光をうつして小夜曲を奏で初めました。ピラミッドは星空に刺さり、異様のスフインクスはその姿態を月光にさらしてゐます。
(「あたしの想ひ」より)
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まだ二十越したとも思はれぬその狂女は、いつも素足で着物を長く、肩には、もすの袋を背負ってゐた。頭髪は美しく後へ垂れ下げ、千代紙を裂いてた畳んだもので、其の端を蝶々形に結んで居る。それは、丁度おすべらかしと云ふ昔の官女の髪格好に良く似てゐた。
(「狂女」より)
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◎Contents
▶︎一年生の作文
春
入學式
途上にて陛下を拝す
ひな物語
はねるお魚
遠泳
夏休み日記の中から
幸福な夜明
百米競争
逃げた文鳥に
昭和三年の回顧
眼を病みて
丸髷
私たちの進むべき道 ほか
▶︎二年生の作文
卒業生を送る
春の景色
野を耕す人
梅雨日記
白百合の咲く頃
障子の穴
あたしの想ひ
童話
狂女
涙
鋏の音 ほか
▶︎三年生の作文
新年の感
へへののもへじ
ハーモニカ
バザーの一節
うるほひ
久美ちやん
吊橋を渡る
馬車
子守唄
[戯曲]子に泣く人々 ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:西東社出版部
□date of issue:1933年 3版(1932年 初版)
□size:18.8x12.8cm
□page:254
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れ傷み
背破れ 経年シミ 裏表紙濡れシミ(写真10枚目)
P28〜31ページ上部にクリップ止めの錆跡あり
» 随筆・エッセイ
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