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北溟(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集
百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。
〝阿呆の鳥飼〟を自認する百閒の小鳥随筆「頬白」「葦切」「春信」「うぐひす」、不気味なイメージの創作「北溟」、十七歳の時に失った父の思い出「たらちをの記」など三十七篇を収録。
名随筆家としての世評を得た四十歳代を締めくくる、十三冊目の百鬼園文集。
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昔からよく云ふ「阿呆の鳥飼」と云ふ言葉は、小鳥に夢中になる連中を嘲つたものに違ひないが、もう一つその中に含まれた意味がある。
他人の持つてゐる物を欲しがつて、自分の物と取り代へて貰ふ様なことをすれば、きつと損をする。それを戒めて「阿呆の取り代へ」と云ふのであると云ふことを聞いた事があるが、もしさうだとすれば、「阿呆の鳥飼」である上に、又その鳥を小鳥屋で取り代へて追ひ金を拂つたりするのは、別の意味の「阿呆の取り代へ」の方も兼ね備へてゐる事になる。
手間のかかつた阿呆だと、自分ながら呆れるのである。
(「うぐひす」より)
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◎Contents
北溟
虎
三代
笑顏
紺屋の庭
花袋追慕
雜木林
頬白
竹杖庵の記
入道雲
塔の雀
清香記
三鞭酒
羅馬飛行
第二の離陸
飛行機と小説
葦切
百鬼園舊套
新月随筆
荒手の大銀杏と後樂園の藪
賣り喰ひ
歳末無題
芥子飯
河豚
鈴木三重吉氏の事
白濱會
流行語
書物の顏
春信
うぐひす
蜂
蚤と雷
宛名
先生根性
むらさき
哈叭道人夜話
たらちをの記
「北溟」雑記
カバー:田村義也
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1982年 初版
□size:15x11cm
□page:217
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
三方薄ヤケ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
〝阿呆の鳥飼〟を自認する百閒の小鳥随筆「頬白」「葦切」「春信」「うぐひす」、不気味なイメージの創作「北溟」、十七歳の時に失った父の思い出「たらちをの記」など三十七篇を収録。
名随筆家としての世評を得た四十歳代を締めくくる、十三冊目の百鬼園文集。
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昔からよく云ふ「阿呆の鳥飼」と云ふ言葉は、小鳥に夢中になる連中を嘲つたものに違ひないが、もう一つその中に含まれた意味がある。
他人の持つてゐる物を欲しがつて、自分の物と取り代へて貰ふ様なことをすれば、きつと損をする。それを戒めて「阿呆の取り代へ」と云ふのであると云ふことを聞いた事があるが、もしさうだとすれば、「阿呆の鳥飼」である上に、又その鳥を小鳥屋で取り代へて追ひ金を拂つたりするのは、別の意味の「阿呆の取り代へ」の方も兼ね備へてゐる事になる。
手間のかかつた阿呆だと、自分ながら呆れるのである。
(「うぐひす」より)
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◎Contents
北溟
虎
三代
笑顏
紺屋の庭
花袋追慕
雜木林
頬白
竹杖庵の記
入道雲
塔の雀
清香記
三鞭酒
羅馬飛行
第二の離陸
飛行機と小説
葦切
百鬼園舊套
新月随筆
荒手の大銀杏と後樂園の藪
賣り喰ひ
歳末無題
芥子飯
河豚
鈴木三重吉氏の事
白濱會
流行語
書物の顏
春信
うぐひす
蜂
蚤と雷
宛名
先生根性
むらさき
哈叭道人夜話
たらちをの記
「北溟」雑記
カバー:田村義也
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1982年 初版
□size:15x11cm
□page:217
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
三方薄ヤケ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663