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生活の随筆10「動物」(子母沢寛ほか 著・柳原良平 装幀)
☆2024.1.4 再掲
柳原良平のスマートな装幀・カットに魅了される、随筆アンソロジー全12巻の第10巻。「動物」をテーマとした名随筆を収録。次回の配本に向けた栞にも、柳原良平の絵があしらわれている。
子母沢寛「愛猿記」は、人に苛められ粗暴になり「猛猿」と恐れられていた猿をひきとり、すっかり仲良くなって最期をみとるまでの日々を、愛惜の念をこめて記した感動的な作品。
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「お前、猛猿だって本当か」
私がこの猿を抱こうとした時だった。猿はいきなり、ぱッと飛上り、私が鎖をしめる隙もなく私の肩へ乗って終ったものである。その早い事、早い事——。肩へのって、両手で私の頭へしがみつく。
私が動悸ッとしたばかりでなく、みんなも思わずあッと声を出した。お互にどうなることかと思ったのだ。家内などは後で、ぞうーっとして物が見えなくなったといった程である。
私は手をあげて猿の顔にさわり乍ら
「よし、よし。お前もう大丈夫だよ。お前を苛める奴はいないから、安心して何でも好きな事をやっていいよ」
立ち上る。どっしりと重味を感ずる程の大猿である。
(「愛猿記」子母沢寛より)
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◎Contents
愛猿記…………………子母沢寛
ノラや…………………内田百閒
雀の食堂………………小熊捍
ペンギン記……………檀一雄
高安犬物語……………戸田幸夫
動物たちと五十年……高橋峯吉
[附]
イヌの飼い方
小鳥の飼い方
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 函
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1962年 初版
□size:18.2x13cm
□page:376
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ傷み
表裏見返し蔵書印2カ所 経年シミ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
柳原良平のスマートな装幀・カットに魅了される、随筆アンソロジー全12巻の第10巻。「動物」をテーマとした名随筆を収録。次回の配本に向けた栞にも、柳原良平の絵があしらわれている。
子母沢寛「愛猿記」は、人に苛められ粗暴になり「猛猿」と恐れられていた猿をひきとり、すっかり仲良くなって最期をみとるまでの日々を、愛惜の念をこめて記した感動的な作品。
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「お前、猛猿だって本当か」
私がこの猿を抱こうとした時だった。猿はいきなり、ぱッと飛上り、私が鎖をしめる隙もなく私の肩へ乗って終ったものである。その早い事、早い事——。肩へのって、両手で私の頭へしがみつく。
私が動悸ッとしたばかりでなく、みんなも思わずあッと声を出した。お互にどうなることかと思ったのだ。家内などは後で、ぞうーっとして物が見えなくなったといった程である。
私は手をあげて猿の顔にさわり乍ら
「よし、よし。お前もう大丈夫だよ。お前を苛める奴はいないから、安心して何でも好きな事をやっていいよ」
立ち上る。どっしりと重味を感ずる程の大猿である。
(「愛猿記」子母沢寛より)
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◎Contents
愛猿記…………………子母沢寛
ノラや…………………内田百閒
雀の食堂………………小熊捍
ペンギン記……………檀一雄
高安犬物語……………戸田幸夫
動物たちと五十年……高橋峯吉
[附]
イヌの飼い方
小鳥の飼い方
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 函
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1962年 初版
□size:18.2x13cm
□page:376
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ傷み
表裏見返し蔵書印2カ所 経年シミ
» 随筆・エッセイ
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