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ラムラム王(武井武雄 著)
「おとぎの国の王様」の異名をもつ武井武雄による、奇想に満ちたナンセンス童話の代表作。
大正13年に児童雑誌『金の星』に掲載され、大正15年に単行本化。昭和39年に刊本作品(私家本)として再刊、昭和51年には講談社文庫『お噺の卵』に収録。刊行のたびに加筆修正が施され、カバー画や挿画も書き直された。本書は、刊本作品を底本とした復刻版。
貧しい珊瑚削り職人の家に生まれた男の子は、長生きをするようにと、フンヌエスト・ガーマネスト・エコエコ・ズンダラー・ラムラム王という長々しい名前を付けられ、通称「ラムラム王」と呼ばれた。
ラムラム王には生まれつき、鳥獣、虫、ロクロ、ゴム人形など、何にでも変身できる術が備わっていた。そして、十一歳の時に、「西の方へゆけば、“生まれてきたかい”が見つかる」という夢のお告げに従って、はるかなる旅へと出かける。そして、世にもヘンテコな出来事が次から次へと起こるのであった……。
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その翌る日、ラムラム王は一つの荒れはれたお城に着きました。この国には金物というものが一つもないので、人々は石の庖丁や羽のペンを使っていました。
そのわけは近くに磁石国という国ができてから、そこの大磁石が廻って何年に一ぺんか、先がこちらへ向くことがあるが、そのたびごとにこの国の金物という金物は釘一本に至るまで、みんな吸い寄せられて行ってしまったからでありました。
(本文より)
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絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:銀貨社
□date of issue:1992年 初版
□size:21.6x13.3cm
□page:164
□condition:経年なり・普通 背薄ヤケ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
大正13年に児童雑誌『金の星』に掲載され、大正15年に単行本化。昭和39年に刊本作品(私家本)として再刊、昭和51年には講談社文庫『お噺の卵』に収録。刊行のたびに加筆修正が施され、カバー画や挿画も書き直された。本書は、刊本作品を底本とした復刻版。
貧しい珊瑚削り職人の家に生まれた男の子は、長生きをするようにと、フンヌエスト・ガーマネスト・エコエコ・ズンダラー・ラムラム王という長々しい名前を付けられ、通称「ラムラム王」と呼ばれた。
ラムラム王には生まれつき、鳥獣、虫、ロクロ、ゴム人形など、何にでも変身できる術が備わっていた。そして、十一歳の時に、「西の方へゆけば、“生まれてきたかい”が見つかる」という夢のお告げに従って、はるかなる旅へと出かける。そして、世にもヘンテコな出来事が次から次へと起こるのであった……。
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その翌る日、ラムラム王は一つの荒れはれたお城に着きました。この国には金物というものが一つもないので、人々は石の庖丁や羽のペンを使っていました。
そのわけは近くに磁石国という国ができてから、そこの大磁石が廻って何年に一ぺんか、先がこちらへ向くことがあるが、そのたびごとにこの国の金物という金物は釘一本に至るまで、みんな吸い寄せられて行ってしまったからでありました。
(本文より)
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絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:銀貨社
□date of issue:1992年 初版
□size:21.6x13.3cm
□page:164
□condition:経年なり・普通 背薄ヤケ
» 小説
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