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プラテーロとぼく(フワン・ラモン・ ヒメネス 著、長南実 訳)- 岩波少年文庫
1956年にノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人、フアン・ラモン・ヒメネスが、20代で精神を病み、故郷アンダルシアの田園で療養するなかで書き綴った138篇を編んだ、珠玉の散文詩集。
月のように銀色の、やわらかい毛並みの驢馬プラテーロに語りかけながら、ときにやさしく、ときに鋭く、自然と人生の明暗をみずみずしい言葉で描き出している。
今まで複数の翻訳が上梓されているが、2001年に本書を改訳・改題した『プラテーロとわたし』が岩波文庫に収載されている。
訳文を読み比べてみると、主人公の年齢の印象が「少年」から「青年」へと変わっており、それぞれに異なる文体の妙味を楽しむことができる。
挿絵、ラファエル・アルバレス・オルテガ。
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プラテーロは小さくて、むくむく毛が生え、ふんわりしている。見たところあまりやわらかいので、からだ全体が綿でできている、骨なんかない、とさえ言えそうだ。真黒な瞳のきらめきだけが、まるで二匹の黒水晶のかぶと虫みたいにこちこちしている。
手綱をはなしてやる。すると草原へゆき、ばら色、空いろ、こがね色の小さな花々に、そっと鼻づらをふれて、生あたたかな息でかわいがる…… ぼくがやさしく、「プラテーロ?」とよぶと、うれしそうに駆けてくる。なんだか幻の鈴の音の中に、 笑いさざめくような足音をたてながら……
(「1 プラテーロ」より)
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◎Contents
1 プラテーロ
2 白い蝶
3 夕暮れのあそび
4 日食
5 おののき
6 幼児園
7 きちがい
8 イスカリオテのユダの人形
9 いちじく
10 アンジェラスの鐘 ほか138遍
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher: 岩波少年文庫
□date of issue:1979年 3刷(1975年 初版)
□size:17.3x11.2cm
□page:389
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ 開き癖少折れ目
三方ヤケ
» 詩歌・その他
https://narda.thebase.in/categories/1326667
月のように銀色の、やわらかい毛並みの驢馬プラテーロに語りかけながら、ときにやさしく、ときに鋭く、自然と人生の明暗をみずみずしい言葉で描き出している。
今まで複数の翻訳が上梓されているが、2001年に本書を改訳・改題した『プラテーロとわたし』が岩波文庫に収載されている。
訳文を読み比べてみると、主人公の年齢の印象が「少年」から「青年」へと変わっており、それぞれに異なる文体の妙味を楽しむことができる。
挿絵、ラファエル・アルバレス・オルテガ。
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プラテーロは小さくて、むくむく毛が生え、ふんわりしている。見たところあまりやわらかいので、からだ全体が綿でできている、骨なんかない、とさえ言えそうだ。真黒な瞳のきらめきだけが、まるで二匹の黒水晶のかぶと虫みたいにこちこちしている。
手綱をはなしてやる。すると草原へゆき、ばら色、空いろ、こがね色の小さな花々に、そっと鼻づらをふれて、生あたたかな息でかわいがる…… ぼくがやさしく、「プラテーロ?」とよぶと、うれしそうに駆けてくる。なんだか幻の鈴の音の中に、 笑いさざめくような足音をたてながら……
(「1 プラテーロ」より)
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◎Contents
1 プラテーロ
2 白い蝶
3 夕暮れのあそび
4 日食
5 おののき
6 幼児園
7 きちがい
8 イスカリオテのユダの人形
9 いちじく
10 アンジェラスの鐘 ほか138遍
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher: 岩波少年文庫
□date of issue:1979年 3刷(1975年 初版)
□size:17.3x11.2cm
□page:389
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ 開き癖少折れ目
三方ヤケ
» 詩歌・その他
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