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聖水(青来有一 著)
2001年に芥川賞を受賞した「聖水」、デビュー作「ジェロニモの十字架」ほか4篇を収録した、青来有一の第一作品集。
表題作「聖水」は、百数十年前の長崎キリシタン弾圧で信仰を棄てた「裏切り者」の末裔である一族をめぐって、聖性と俗性がせめぎあう物語。隠れキリシタンたちが唱え続けてきたオラショ(祈りの文句)の響きにのせて、「死にゆく者にとっての救済とは何か」という、根源的な問いを投げかける。
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うやまって申す、いかに御なるぜすキリスト、御身は、一切人間を助け給う御為に生れ給う、ぜぜくらさんの受けくらい、いでうらより、あなずられ、むほんじんの、じゅだつより敵の手に渡されし御とがをましませば、羊が子を、せきらんしようが為に、引くが如くに、引かれし給う……
唱和の声は、あるいは音色の褪せた聖歌のように厳かであり、また野辺に流れる読経のようにのどかで、数百年の時を超えて錆色の浦上にまで流れこんでいった。
(「聖水」より)
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◎Contents
ジェロニモの十字架
泥海の兄弟
信長の守護神
聖水
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:文春文庫
□date of issue:2004年 初版
□size:15.2x10.6cm
□page:373
□condition:経年なり・普通 表紙スレ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
表題作「聖水」は、百数十年前の長崎キリシタン弾圧で信仰を棄てた「裏切り者」の末裔である一族をめぐって、聖性と俗性がせめぎあう物語。隠れキリシタンたちが唱え続けてきたオラショ(祈りの文句)の響きにのせて、「死にゆく者にとっての救済とは何か」という、根源的な問いを投げかける。
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うやまって申す、いかに御なるぜすキリスト、御身は、一切人間を助け給う御為に生れ給う、ぜぜくらさんの受けくらい、いでうらより、あなずられ、むほんじんの、じゅだつより敵の手に渡されし御とがをましませば、羊が子を、せきらんしようが為に、引くが如くに、引かれし給う……
唱和の声は、あるいは音色の褪せた聖歌のように厳かであり、また野辺に流れる読経のようにのどかで、数百年の時を超えて錆色の浦上にまで流れこんでいった。
(「聖水」より)
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◎Contents
ジェロニモの十字架
泥海の兄弟
信長の守護神
聖水
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:文春文庫
□date of issue:2004年 初版
□size:15.2x10.6cm
□page:373
□condition:経年なり・普通 表紙スレ
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