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山の手の子(獅子文六 著)
昭和25年に刊行された随筆集。戦火によって失われてしまった「山の手」を懐かしみながら、山の手文化を担った作家たちの思い出を綴る表題作ほか、24篇を収録。
前年に刊行した小説『てんやわんや』がベストセラーとなるなど作家として充実期を迎えていた著者の、戦後の浮ついた世相を活写する文章が冴える。カバーと帯が一体化した装幀も洒落ている。
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スタイルといへば、昨今、「スタイル」といふ雜誌がよく賣れるといふぐらゐは、邊域にある私の耳にも入つてゐる。(略)
実際、スタイルが流行つてゐる。
女の子ばかりかと思つたら、さうではない。政黨がどれだけスタイルに憂身をやつしてゐるか。新聞とラヂオと、それから総合雜誌とくると、まるでスタイルの金縛りみたいだ。國鐵のゼネストだつて、よほどスタイル臭かつた。泥棒も近頃はピストルを持たないことには、スタイルをなさないらしい。それを追驅ける巡査が、開襟服に、腕章の新スタイルだ。
(「顔の研究」より)
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◎Contents
山の手の子
顏の研究
値遇反遇
タオル事件
あやまり癖
鹿兒島と江ノ浦
故郷見物
熱田
靜岡
新留學論
巴里天國
役者と貧乏
大いに産む女優
寝正月
酒の研究
水について
利酒猪口
ホケについて
てんやわんやの話
ブロンディ一家
アメリカからの小包
とうふ屋とそば屋
バナナ禪語
國民服史
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:創元社
□date of issue:1950年 再版(1950年 初版)
□size:18.7x13.2cm
□page:191
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み
背小破れ 三方薄ヤケ 経年シミ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
前年に刊行した小説『てんやわんや』がベストセラーとなるなど作家として充実期を迎えていた著者の、戦後の浮ついた世相を活写する文章が冴える。カバーと帯が一体化した装幀も洒落ている。
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スタイルといへば、昨今、「スタイル」といふ雜誌がよく賣れるといふぐらゐは、邊域にある私の耳にも入つてゐる。(略)
実際、スタイルが流行つてゐる。
女の子ばかりかと思つたら、さうではない。政黨がどれだけスタイルに憂身をやつしてゐるか。新聞とラヂオと、それから総合雜誌とくると、まるでスタイルの金縛りみたいだ。國鐵のゼネストだつて、よほどスタイル臭かつた。泥棒も近頃はピストルを持たないことには、スタイルをなさないらしい。それを追驅ける巡査が、開襟服に、腕章の新スタイルだ。
(「顔の研究」より)
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◎Contents
山の手の子
顏の研究
値遇反遇
タオル事件
あやまり癖
鹿兒島と江ノ浦
故郷見物
熱田
靜岡
新留學論
巴里天國
役者と貧乏
大いに産む女優
寝正月
酒の研究
水について
利酒猪口
ホケについて
てんやわんやの話
ブロンディ一家
アメリカからの小包
とうふ屋とそば屋
バナナ禪語
國民服史
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:創元社
□date of issue:1950年 再版(1950年 初版)
□size:18.7x13.2cm
□page:191
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み
背小破れ 三方薄ヤケ 経年シミ
» 随筆・エッセイ
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