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随筆(林芙美子 著)
戦前に出版された、林芙美子の随筆集。1940年1月〜2月の北満州旅行について綴った紀行文「滿州 — 冬の滿州紀行」をはじめとする11篇の随筆と、7篇の詩を収録している。
「滿州 — 冬の滿州紀行」は、雑誌『新女苑』1940年4月号に、「凍れる大地」と題されて掲載されたもの。日中戦争開戦直後から従軍作家として活躍した林芙美子が、極寒の国境で働く兵隊たちの苦労を体感したいという思いをつのらせて敢行した、1カ月におよぶプライベートな旅の様子を高揚感あふれる文体で綴っている。
ちなみに、当時、満州を希望に満ちた新天地として喧伝していた軍部から「王道楽土の満州を『凍れる大地』とは何ごとか」と厳重な抗議を受け、本書収録にあたって「滿州 — 冬の滿州紀行」と改題されたという。
1931年の欧州旅行の思い出を、在りし日の平和な日々を懐かしむように綴った「戦前の巴里」も味わい深い。
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降る雪の白髪までも降る雪の
光をみればたふとくもあるか
橘宿禰のこの歌は好きだ。私は自分がたよりなくなると、この歌に節をつけてくちずさんでみる。このやうな清らかな氣持で旅の宿で死んでしまへば良いとも思ふ。
今日は一月十七日。零下十七度。風が吹いゐる。
(「滿州 — 冬の滿州紀行」より)
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◎Contents
滿州 — 冬の滿州紀行
友情の行列
父を語る
空想飛行
兵隊の詩(詩)
愛する馬よ(詩)
戦前の巴里
孤獨な紡錘
玄關の手帖
青粥の記
若い作家
螢(詩)
墓石(詩)
憤怒の麥(詩)
柿
哀傷歌(詩)
磯邊の蟹(詩)
文學的自敍傳
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:秩父書房
□date of issue:1941年 初版
□size:18.5x13cm
□page:271
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷みシミ
三方ヤケ 経年シミ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
「滿州 — 冬の滿州紀行」は、雑誌『新女苑』1940年4月号に、「凍れる大地」と題されて掲載されたもの。日中戦争開戦直後から従軍作家として活躍した林芙美子が、極寒の国境で働く兵隊たちの苦労を体感したいという思いをつのらせて敢行した、1カ月におよぶプライベートな旅の様子を高揚感あふれる文体で綴っている。
ちなみに、当時、満州を希望に満ちた新天地として喧伝していた軍部から「王道楽土の満州を『凍れる大地』とは何ごとか」と厳重な抗議を受け、本書収録にあたって「滿州 — 冬の滿州紀行」と改題されたという。
1931年の欧州旅行の思い出を、在りし日の平和な日々を懐かしむように綴った「戦前の巴里」も味わい深い。
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降る雪の白髪までも降る雪の
光をみればたふとくもあるか
橘宿禰のこの歌は好きだ。私は自分がたよりなくなると、この歌に節をつけてくちずさんでみる。このやうな清らかな氣持で旅の宿で死んでしまへば良いとも思ふ。
今日は一月十七日。零下十七度。風が吹いゐる。
(「滿州 — 冬の滿州紀行」より)
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◎Contents
滿州 — 冬の滿州紀行
友情の行列
父を語る
空想飛行
兵隊の詩(詩)
愛する馬よ(詩)
戦前の巴里
孤獨な紡錘
玄關の手帖
青粥の記
若い作家
螢(詩)
墓石(詩)
憤怒の麥(詩)
柿
哀傷歌(詩)
磯邊の蟹(詩)
文學的自敍傳
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:秩父書房
□date of issue:1941年 初版
□size:18.5x13cm
□page:271
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷みシミ
三方ヤケ 経年シミ
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