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小説 猟奇王 - 怪奇ロマン派怪人譚(川崎ゆきお 著・挿絵)
1970年代、雑誌『ガロ』での連載によって一部読者から熱い支持を受けた、川崎ゆきおの漫画『猟奇王』シリーズ。その新作として、1998年に「小説」の形で刊行された単行本。猟奇王・忍者のマル秘アイテムを、カバー裏に収録。挿絵、多数。
つねに「期待」以上のものを追い求めてしまう、人間の性。そして、たとえその願いが実現できても、「現実」以上のものにはなり得ないという虚しさ。そのやみくもな熱情と悲哀を、独特のおかしみをもって描く怪作。
「劇場型犯罪」がはびこる社会が到来し、すっかり出る幕がなくなってしまった「猟奇王」は、手下の忍者とともに上京し、「東京猟奇軍団」をひきいる角一郎のもとに身を寄せる。
暇をもてあまし、ただ帝都をうろつきまわる「猟奇王」。しかしそのまわりに、フリーライター、探偵・便所バエ、公安課の刑事、女子大生、宿敵・怪傑紅ガラスらがまとわりつき、何かことを起こさなければ、収まりがつかなくなる。そしてついに、まったくのアドリブで「銀座宝石店」への襲撃が予告されるのだった ——。
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「そうでんなあ。そやけど、何か一発パ〜ッとしたことしたいでんなあ」
猟奇王は忍者を見る。
「世の中はリアルにできておる。そのリアリズムの壁を打ち破るのは容易なことではない」
「そうでんなあ」
「そうじゃ」
角一郎もうなずく。
「わしらは所詮都会の中の亡霊よ。過ぎ去りし時代の遺物よ。絶滅寸前のトキよ」
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:希林館
□date of issue:1998年 初版
□size:18.2x13cm
□page:227
□condition:経年なり・普通 表紙スレ 三方ヤケ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
つねに「期待」以上のものを追い求めてしまう、人間の性。そして、たとえその願いが実現できても、「現実」以上のものにはなり得ないという虚しさ。そのやみくもな熱情と悲哀を、独特のおかしみをもって描く怪作。
「劇場型犯罪」がはびこる社会が到来し、すっかり出る幕がなくなってしまった「猟奇王」は、手下の忍者とともに上京し、「東京猟奇軍団」をひきいる角一郎のもとに身を寄せる。
暇をもてあまし、ただ帝都をうろつきまわる「猟奇王」。しかしそのまわりに、フリーライター、探偵・便所バエ、公安課の刑事、女子大生、宿敵・怪傑紅ガラスらがまとわりつき、何かことを起こさなければ、収まりがつかなくなる。そしてついに、まったくのアドリブで「銀座宝石店」への襲撃が予告されるのだった ——。
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「そうでんなあ。そやけど、何か一発パ〜ッとしたことしたいでんなあ」
猟奇王は忍者を見る。
「世の中はリアルにできておる。そのリアリズムの壁を打ち破るのは容易なことではない」
「そうでんなあ」
「そうじゃ」
角一郎もうなずく。
「わしらは所詮都会の中の亡霊よ。過ぎ去りし時代の遺物よ。絶滅寸前のトキよ」
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絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:希林館
□date of issue:1998年 初版
□size:18.2x13cm
□page:227
□condition:経年なり・普通 表紙スレ 三方ヤケ
» 小説
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