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日常茶飯(中里恒子 著、福井良之助 画)★著者署名入り
1939年に女性初の芥川賞作家となった中里恒子が、逝去する前年に刊行した随筆集。挿画、福井良之助。
前書に「奇をてらはず、目立ちもせず、心のこもった気配りで、日日のなんでもないやうな平凡なことを、なんでもなくやり通せれば、もって瞑すべし、平穏の一事に盡きる」とある。
晩年に至るまで、自らの美意識にそって生きた日常を、旧仮名遣いの流麗な文体で綴る。
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小さな頃の娘は、この川べりで、赤い弁慶がにをとって貰ふのが、何より嬉しい遊びであった。その娘も、現在では、子供たちがみんな結婚して孫まであるのです。そして、年月の移り変りを、一年に一度、夏になると見に来るやうになった。
「川も変わったわ、あたりの家も変ったけれど、川向ふのあのをじさん、覚えてる」
などと言ふ。その娘も、五週間滞在したので、帰米する。川の上に、白いパンの破片が流れていった。
(「川のある景色」より抜粋)
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◎Contents
錦戸
節欲の美味
花の下の宴
ほんもの、嘘もの
あめりか料理
ふらんす料理
魚ぞうめん
川のある風景
せめて精神的ゆとり
峠の力餅
零余子
数へ日
人間はどこまでも人間
寒牡丹 ほか
★表見返しに著者署名入り
絶版または版元品切れ
ハードカバー クロス装 帯あり
□publisher:日本経済新聞社
□date of issue:1986年 初版
□size:22x16cm
□page:229
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ背ヤケ
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
前書に「奇をてらはず、目立ちもせず、心のこもった気配りで、日日のなんでもないやうな平凡なことを、なんでもなくやり通せれば、もって瞑すべし、平穏の一事に盡きる」とある。
晩年に至るまで、自らの美意識にそって生きた日常を、旧仮名遣いの流麗な文体で綴る。
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小さな頃の娘は、この川べりで、赤い弁慶がにをとって貰ふのが、何より嬉しい遊びであった。その娘も、現在では、子供たちがみんな結婚して孫まであるのです。そして、年月の移り変りを、一年に一度、夏になると見に来るやうになった。
「川も変わったわ、あたりの家も変ったけれど、川向ふのあのをじさん、覚えてる」
などと言ふ。その娘も、五週間滞在したので、帰米する。川の上に、白いパンの破片が流れていった。
(「川のある景色」より抜粋)
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◎Contents
錦戸
節欲の美味
花の下の宴
ほんもの、嘘もの
あめりか料理
ふらんす料理
魚ぞうめん
川のある風景
せめて精神的ゆとり
峠の力餅
零余子
数へ日
人間はどこまでも人間
寒牡丹 ほか
★表見返しに著者署名入り
絶版または版元品切れ
ハードカバー クロス装 帯あり
□publisher:日本経済新聞社
□date of issue:1986年 初版
□size:22x16cm
□page:229
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ背ヤケ
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