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林芙美子 巴里の恋(今川英子 編)

林芙美子 巴里の恋(今川英子 編)
林芙美子は、1931年から32年にかけて、ベストセラー『放浪記』の印税を旅費として、シベリア鉄道で大陸を横断し、パリ、ロンドンに滞在した。

林芙美子の日録風金銭支出控『巴里の小遣ひ帳』と「日記帳」、そして夫・手塚緑敏に宛てた「手紙」の全文を掲載。巻頭に現物のカラー写真を収録。全集の編集者による、複雑な人間模様、当時の世相などに関する詳細な解説が付されている。

公開を意図せず書かれた文章から浮かびあがる、パリ滞在中に花ひらいた、年下の青年との秘密の恋……。作家稼業に粉骨砕身し、家族を養うために一生を送った林芙美子が、欧州でつかのまの「第二の青春」を過ごした日々が蘇る。
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四月二十日(水曜日 mercuredi)

ざんざ降りの雨の日、無意(為)なり。
夜、Sと二人モンパルナスのホテルのサロンでコニヤツクを呑む。胸ゐたむおもひなり。「旅から帰へつたらこゝへでも泊りませう」そう云つて二人で部屋を見せて貰ったりする。Sのベルリンへ帰へる日もうあと数日、何も云はない。何も云へない。誰が悪いと云ふ事もない。皆いゝのだから。
帰宅十一時、雨の中を自動車でかへる。
彼の京都の話を聞く。
(「一九三二年の日記」より)
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◎Contents
巴里の小遣ひ帳
一九三二年の日記 — 巴里・倫敦・東京
夫への手紙 — 巴里・倫敦から緑敏へ
 解説・パリは芙美子の解放区だったか(今川英子)

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:中央公論新社
□date of issue:2001年 初版
□size:19.8x13.8cm
□page:270
□condition:経年なり・良好 小口汚れ

» 評伝・ノンフィクション
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