Item
生活の随筆4「女性」(小島信夫ほか 著・柳原良平 装幀)
柳原良平のスマートな装幀・カットに魅了される、随筆アンソロジー全12巻の第4巻。「女性」をテーマとした名随筆が集められている。
小島信夫の「実感・女性論」は、妻の情事をきっかけとした家庭崩壊の悲喜劇を描いた『抱擁家族』を代表作とする著者の女性観・家族観が、諧謔を交えた文章で綴られている。
------------------------------
私は今まで何回引越をしてきたか分らない。何回改築してきたか分らない。その度に私は、家族のことを考え、我が妻のことを考え、そして一歩前進する。一つの品物が家の中にすえつけられる。そのたびに、何か幸福の相をおびるが、そのたびに益々自分は不用な者になって行くような気がする。
いつしか、池ができて、魚が泳ぎはじめたが、私はその魚を見ているうちに、腹立たしくなることがある。私は電気冷蔵庫を眺めているうちに、その文明の道具が、何か自分をおちつかなくさせることを知っている。
(略)
私は家に品物が一つ一つ増える度に、家族に対し、妻に対し英雄的感慨にふけっているが、とつじょとして、みんなウソだ、ウソだと叫びたくなる。
(「実感・女性論」小島信夫より)
------------------------------
◎Contents
女性に関する十二章………伊藤整
実感・女性論………………小島信夫
異性読本……………………高見順
東光おんな談義……………今東光
随筆女ひと…………………室生犀星
女……奥野信太郎、獅子文六、岡本太郎ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 函 元セロファン
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1962年 初版
□size:18.2x13cm
□page:406
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ傷み 背ヤケ褪色
函天面シミ 元セロファン天地縮み
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
小島信夫の「実感・女性論」は、妻の情事をきっかけとした家庭崩壊の悲喜劇を描いた『抱擁家族』を代表作とする著者の女性観・家族観が、諧謔を交えた文章で綴られている。
------------------------------
私は今まで何回引越をしてきたか分らない。何回改築してきたか分らない。その度に私は、家族のことを考え、我が妻のことを考え、そして一歩前進する。一つの品物が家の中にすえつけられる。そのたびに、何か幸福の相をおびるが、そのたびに益々自分は不用な者になって行くような気がする。
いつしか、池ができて、魚が泳ぎはじめたが、私はその魚を見ているうちに、腹立たしくなることがある。私は電気冷蔵庫を眺めているうちに、その文明の道具が、何か自分をおちつかなくさせることを知っている。
(略)
私は家に品物が一つ一つ増える度に、家族に対し、妻に対し英雄的感慨にふけっているが、とつじょとして、みんなウソだ、ウソだと叫びたくなる。
(「実感・女性論」小島信夫より)
------------------------------
◎Contents
女性に関する十二章………伊藤整
実感・女性論………………小島信夫
異性読本……………………高見順
東光おんな談義……………今東光
随筆女ひと…………………室生犀星
女……奥野信太郎、獅子文六、岡本太郎ほか
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 函 元セロファン
□publisher:筑摩書房
□date of issue:1962年 初版
□size:18.2x13cm
□page:406
□condition:経年なり・普通 函スレ汚れ傷み 背ヤケ褪色
函天面シミ 元セロファン天地縮み
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
