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氣のながい話(中里恒子 著)

氣のながい話(中里恒子 著)
☆2025.7.2 再掲
1939年に女性初の芥川賞作家となった中里恒子が、1975年に刊行した随筆集。

言葉や芸ごとへのこだわり、身の回りのものへの愛着、旅先でのできごと、親交の深かった文人の思い出などが、凛とした硬質な文体で綴られている。

戦後30年を経て刊行された本でありながら、正字・旧仮名遣いで書かれており、一言一句ゆるがせにしない美意識が感じられる。
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歌舞伎は、てんから現代の生活とは遠い世界のこと、けれども完全な樣式化の美しさや、誇張された人間味や、不自然と言へば不自然が魅力でもある。
はつとさせる、わつと息をのむほどの雰圍氣、しみじみさせる、おもしろがらせる、かういふものが、所作ごとにはふんだんに出るので、殺しなどの陰慘な芝居のあとで、眼もさめるあでやかな舞踊を見ると、この變化が、いかにも芝居を見に來た氣にさせる。

(「誇張の美」より)
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◎Contents
 I
花燈籠
硝子ばり
氣のながい話
小さな川のほとりで
わが方丈
短篇といふこと
句座風景
萩・朝顔と言へど
堀辰雄さんの手紙
遠くから……
芝居情緒
誇張の美
すこしといふこと
美への懼れ
雨露をしのぐ
雪の下
移り變はり
 Ⅱ
季節に惹かれて
臺所の話
皿いろいろ
外食
鰤一尾が全財産
うちの梅干・うちの鴨
私とお酒
地方の菓子
料理以外のこと
 Ⅲ
四方竹
萩の箸
京のなさけ
京都ぶらぶら
噂の金閣寺
みちのくの秋
淡路島の千鳥
松の内
道に迷ふこと
ヨコスカ線
 IV
花と人間
近所迷惑
素人芸
女のあそび
皿小鉢
帯じめ
ひとと言葉
わがイソップ
犬と私

牡丹の客8
古風で気丈だつた母のこと
それぞれの道
或る日タクシーに乗つて
この頃思ふこと
眼鏡と私
當方無人
小説のなかの土地
正月今昔
冬凪ぎの或る日日
花と鍋

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:河出書房新社
□date of issue:1975年 初版
□size:19.5x13.5cm
□page:268
□condition:経年なり・普通 カバースレ 三方ヤケ
小口点シミ 表見返し ラベル剥がし跡

» 随筆・エッセイ
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