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香取夫人の生涯(吉屋信子 著)

香取夫人の生涯(吉屋信子 著)
☆2025.1.31 再掲
華族家から皇族に嫁ぎ、戦後皇籍離脱した実在の元皇族妃の手記をもとに、主人公の生年を20年ほど後ろへずらし、「香取宮盈子」(かとりのみやえいこ)という架空の人物を造形。

物語作家としての力量をいかんなく発揮して、一人の女性の波乱の生涯を描き出している。

なお、本書のもととなった手記は、1991年に、小田部雄次によってまとめられ『梨本宮伊都子妃の日記』として刊行されている。
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一同食卓に集うと、陛下のお言葉があった。
「皇族の籍を離れ一般の世に出られても、私としては少しも今までと変ることなく以前同様にあなた方を思っている、今後といえども変らずおりおりは出て来られてほしい……」
このお言葉の途中で、わたくしは不覚にも睫毛に溢れるものをおぼえて差しうつむいた。あれほど妃の名を重荷とし、束縛を感じ、皇族の不自由さを心にかこった身のいまさらなんの涙であったろう……。

(「落日の賦」より)
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◎Contents
第1篇
 恐ろしき童話/わが春の眼ざめ/描ける夢
第2篇
 雪中常磐御前/仏蘭西語・和歌/大いなる鳥籠
第3篇
 冬の花火・そのあと/名残りの宴
第4篇
 暮春の夜を/それから
第5篇
 あの年この年/大正は去る
第6篇
 いかにかあるらん/生母の行方/籠のうちそと
第7篇
 皇統譜/夏の旅/その頃あの頃
第8篇
 女、妻、その名は妃/妬妃/暗雲
第9篇
 一場の夢/ただならぬ世/相見ざりせば
第10篇
 伊豆にての日々/何をか待つ?/蜩哭く日
第11篇
 落日の賦/ちゅうとはんぱ
第12篇
 松風/第二の人生/十年へぬ

絶版または版元品切れ
ハードカバー 函
□publisher:新潮社
□date of issue:1962年 初版
□size:20.3x14cm
□page:251
□condition:経年なり・普通 函:和紙貼り剥がれ
表紙:汚れ経年シミ 小口薄シミ

» 小説
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