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凸凹道(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集

凸凹道(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集
百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。

表題作「凸凹道」は、死別した旧友の思い出を綴った随筆で、哀切な余韻とともに「冥途」に通じる幻想味がただよう。わずか3ページ足らずの小品だが、百閒の愛着を感じさせる作品となっている。

その他、漱石も愛した名噺家に思いをはせる「小さんの葬式」、世間を大いに騒がせたハレー彗星の観望記「箒星」、阿呆の鳥飼ぶりを諧謔味たっぷりに記した「銘鶯会」など、48編の随筆を収録。

昭和10年に刊行された、第5冊目の百鬼園随筆文集。
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午後七時二十二分岡山驛を発車する第六列車が、当時は下ノ関から新橋に直行するただ一本の上り急行であつた。林はそれに乗つて水戸にたつ事になつてゐたので、私は自転車に乗つて岡山驛に見送りに出かけたところが、夕闇にともした提燈が、驛の近くに来た時、道の凸凹に車輪がをどつた拍子にふつと消えてしまつた。(略)
林とは子供の時からの随分長い友達だつたから、その時の袂別を妨げた凸凹道のいきさつを、今でも思ひ出す。

(「凸凹道」より)
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◎Contents
忙中謝客
離愁
柳暗花明
小さんの葬式
官命出張旅行
門衛
初泥
水心
箒星
志道山人夜話
寄贈本
署名本
正直の徳に就いて
狸気濛濛
明暗交遊録
窓前
苗売り
豫科時代
敬礼
大瑠璃鳥
御時世
凸凹道

非常汽笛
他生の縁
拝接
猪の昼寝
暗闇
裸安居
阿房声
八段調
五段砧
芥川教官の思ひ出
雷魚
百鬼園日暦
簾外
銘鶯会
続銘鶯会
可可貧の記
櫛風沐雨
雑爼
 ソノ心事ノ陋劣ナル歟
 鶴の二声
 春琴抄の放送
 谷崎潤一郎氏の送假名法に就いて
 恐しいか恐ろしいか
 雨の念佛
 純粋言語の説
 学生航空の発向

解説:桶谷秀昭
「凸凹道」雑記(平山三郎)
カバー:田村義也

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1981年 初版
□size:15x11cm
□page:238
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
三方薄ヤケ 経年シミ

» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
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