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雨月の使者(唐十郎 著、合田佐和子 絵)
上田秋成の『雨月物語』を長年にわたって偏愛してきた唐十郎が、「僕なりの雨月をつくりたい」という思いで書き上げた三篇の怪異譚。子供も大人も楽しめる「ひそひそ話」。
状況劇場の宣伝・舞台美術も手がけた、合田佐和子とコラボレーション。宝石、少女、植物、昆虫などをモチーフにしたコラージュアートによって、物語が妖しく彩られている。
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手拭いで頭を包んだ兄さんらしい男の子が、銭湯の「男湯」とあるのれんをくぐり出ると、電柱の横で待っている女の子の傘にとびこんでいきました。それを三日次郎は、片手に濡れ手拭いとシャボン箱を持ったまま、見送っていました。
「僕には、妹も姉もいなかった」
兄妹らしき姿は、路地の向こうへと遠ざかります。
「それでいながら銭湯から出るたびに、その電柱の陰で……誰かが待っていてくれるような気がした」
(「雨月の使者 ― 見知らぬ妹」より)
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◎Contents
めす蜂とでかけた少年
ビョルンソン
雨月の使者
見知らぬ妹
新しい布団
飛んだスカーフ
改造ピュンピュン丸
トンネルの月見草
水の匂い
ハードカバー ダストカバー
□publisher:エー・ジー出版
□date of issue:1996年 初版
□size: 19.8x15.2cm
□page:207
□condition: 経年なり・普通 カバースレ汚れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
状況劇場の宣伝・舞台美術も手がけた、合田佐和子とコラボレーション。宝石、少女、植物、昆虫などをモチーフにしたコラージュアートによって、物語が妖しく彩られている。
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手拭いで頭を包んだ兄さんらしい男の子が、銭湯の「男湯」とあるのれんをくぐり出ると、電柱の横で待っている女の子の傘にとびこんでいきました。それを三日次郎は、片手に濡れ手拭いとシャボン箱を持ったまま、見送っていました。
「僕には、妹も姉もいなかった」
兄妹らしき姿は、路地の向こうへと遠ざかります。
「それでいながら銭湯から出るたびに、その電柱の陰で……誰かが待っていてくれるような気がした」
(「雨月の使者 ― 見知らぬ妹」より)
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◎Contents
めす蜂とでかけた少年
ビョルンソン
雨月の使者
見知らぬ妹
新しい布団
飛んだスカーフ
改造ピュンピュン丸
トンネルの月見草
水の匂い
ハードカバー ダストカバー
□publisher:エー・ジー出版
□date of issue:1996年 初版
□size: 19.8x15.2cm
□page:207
□condition: 経年なり・普通 カバースレ汚れ
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