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夜のリボン(舟橋聖一 著、木村荘八 装幀・装画)- ロマン・ブックス
☆2024.5.7 再掲
戦後、通俗小説で一世を風靡した舟橋聖一が健筆をふるった、長篇小説。
時は、護憲運動・デモクラシーの風が吹き荒れ、世情騒然たる大正時代。恋多き美しい娘・美根子は、平民宰相・原敬夫妻の知己を得て、その庇護を受けながらも、政争や世相に翻弄され、芸者に身をやつす。そして……。
ヒロインの美根子が身につけているリボンや、物語の中での出来事、季節を象徴する色が各章のタイトルに折り込まれ、『夜のリボン』という書名が原敬暗殺の暗喩となっているなど、心憎い演出が施されています。
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美根子は、軽く二膳ほど食べて箸をおくと、今日も亦、どこか出掛けるのか、化粧にかかる。
紀久は、海苔を焼いて、お茶漬の支度をしながら、
「今日は、物騒だから、出かけるなら、お気をつけよ」
「あら、どうして」
「政友会から、脱党者が出たそうで、どうやら、不穏なことがあるらしい」
「又、焼打ち?」
「サア、どうだか詳しいことは知らないけれど」
「ほんとは、原敬さんが総理になるところだつたンですつてね」
(本文 より)
-----------------------------
◎Contents
とき色の雨
くさ色の風
青葉色の傘
瑠璃色の海
栗色の椅子
ふじ色の霧
薄桃色の朝
牡丹色の鯉
小麦色の肌
柿色の秋
銀色の川
暮色の町
黒色の蝶
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 元パラフィン紙なし
□publisher:大日本雄弁会講談社
□date of issue:1956年
□size:17.2x11.2cm
□page:290
□condition:経年なり・可 ヤケスレ汚れ傷み 経年シミ
奥付ページに貸本店のものと思われる押印(写真7枚目)
裏見返し・遊び紙切り取り(写真8枚目)裏表紙切れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
戦後、通俗小説で一世を風靡した舟橋聖一が健筆をふるった、長篇小説。
時は、護憲運動・デモクラシーの風が吹き荒れ、世情騒然たる大正時代。恋多き美しい娘・美根子は、平民宰相・原敬夫妻の知己を得て、その庇護を受けながらも、政争や世相に翻弄され、芸者に身をやつす。そして……。
ヒロインの美根子が身につけているリボンや、物語の中での出来事、季節を象徴する色が各章のタイトルに折り込まれ、『夜のリボン』という書名が原敬暗殺の暗喩となっているなど、心憎い演出が施されています。
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美根子は、軽く二膳ほど食べて箸をおくと、今日も亦、どこか出掛けるのか、化粧にかかる。
紀久は、海苔を焼いて、お茶漬の支度をしながら、
「今日は、物騒だから、出かけるなら、お気をつけよ」
「あら、どうして」
「政友会から、脱党者が出たそうで、どうやら、不穏なことがあるらしい」
「又、焼打ち?」
「サア、どうだか詳しいことは知らないけれど」
「ほんとは、原敬さんが総理になるところだつたンですつてね」
(本文 より)
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◎Contents
とき色の雨
くさ色の風
青葉色の傘
瑠璃色の海
栗色の椅子
ふじ色の霧
薄桃色の朝
牡丹色の鯉
小麦色の肌
柿色の秋
銀色の川
暮色の町
黒色の蝶
絶版または版元品切れ
ソフトカバー 元パラフィン紙なし
□publisher:大日本雄弁会講談社
□date of issue:1956年
□size:17.2x11.2cm
□page:290
□condition:経年なり・可 ヤケスレ汚れ傷み 経年シミ
奥付ページに貸本店のものと思われる押印(写真7枚目)
裏見返し・遊び紙切り取り(写真8枚目)裏表紙切れ
» 小説
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