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町からきた少女(ヴォロンコーワ 著、高杉一郎 訳)- 岩波少年文庫

町からきた少女(ヴォロンコーワ 著、高杉一郎 訳)- 岩波少年文庫
1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。

物語の舞台は、第二次世界大戦後のソ連。戦争で家族を失った少女ワーリャは、親切な農村の一家に引き取られるが、なかなか心を開くことができない。けれども、豊かな自然にしだいに癒されてゆき、マツユキ草の咲く頃、義母にはじめて「ママ」と呼びかけることができるようになる――。

あとがきに「戦争が幼いたましいのうえに、どんなに深いきずあとをのこしているか」を思い知らされると記されており、現在の世界情勢をかんがみながら読むと、心に波風がたつ思いがする。
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この子だけが生き残っている。
このひろい世界のなかで、この子はたったひとりぼっちなんだわ!
おかあさんは、少女のところへ近づきました。
「あんた、なんてなまえ?」
おかあさんは、やさしくたずねました。
「ワーリャっていうの。」
少女は、そっけなく答えました。

(「青いぼうしをかぶった少女は、どうしてネチャーエヴォの村にやってきたか?」より)
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◎Contents
1 青いぼうしをかぶった少女は、どうしてネチャーエヴォの村にやってきたか?
2 朝。
3 こわいおじいさん。タイスカがおかあさんに叱りとばされる。
4 あたらしい友だち。
5 おかあさんが、ふうがわりなお風呂を用意する。
6 ロマーノクのところに戦車旅団があらわれる。まっしろいテーブルかけに、まっかな花が咲く。
7 お客さまが、お茶と揚げ菓子のごちそうになりながら、おかあさんを責める。
8 少女たちだけでお留守番をし、家の仕事をする。
9 春が窓に花ひらく。おじいさんはこわいひとでもなければ、怒りっぽいひとでもないことがわかる。
10 家族がふえる。母屋にあたらしい同居人たちがやってくる。
11 ワーリャが羊小屋であつい友情をむすぶ。
12 ワーリャがおはなしをする。
13 タイスカがワーリャを外につれだす。そして、思いがけなくなぐりあいの傷をうける。
14 春のおまつり。練り粉でつくったヒバリ。
15 流氷がはじまる。ロマーノクがあぶなくマジェランになるところだった。
16 「アカ」が太陽を見る。
17 戦線からの手紙。
18 マツユキ草。
あとがき
ヴォロンコーワさんのこと

挿絵:高松甚二郎

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher: 岩波少年文庫
□date of issue:1975年20刷(1956年 初版)
□size:17.3x11.2cm
□page:214
□condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷み 背ヤケ
三方ヤケ 表紙見返しシミ(写真2枚目) 小口シミ

» 小説
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