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贋作 吾輩は猫である(内田百閒 著、内田巌 挿画)- 旺文社文庫 全作品集

贋作 吾輩は猫である(内田百閒 著、内田巌 挿画)- 旺文社文庫 全作品集
百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。

溺れて成仏したはずの「吾輩」は水がめを這い出て、ドイツ語教師・五沙弥先生の家に入り込む。漱石の弟子・百閒が、真作刊行より約半世紀後、ユーモアたっぷりに書き上げた『吾輩は猫である』の続編。

真作では名前のなかった「吾輩」に、贋作では「アビシニヤ」というハイカラな名前が与えられている。五沙弥先生のモデルは、もちろん百閒その人。風船画伯こと谷中安規など、知人をモデルにした人物が数多く登場する。

解説に、伊藤整による本作の批評から「漱石のユーモアよりも洗練されてをり、文章や作為の無駄も少ない。(略)恐らく現代の日本人の書き得る笑ひの第一級のものがある」という文章がひかれている。
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「名前はまだ無い」
「そりや不便ですね」
「さうだわ、名前をつけてやらなくちや。今までだつて有つたんでせうけど、猫に聞いてもわからないから、うちでつけるんだわね」
「命名式を致しませう」
「ぢやあ、つけてやらうか。アビシニヤ」
「変な名前だわ」
「なんだか聞いた様な名前ですね」
名前なんかどうでもいい。あんまりいつ迄も下らない事ばかり云ふので、つくづく退屈したから、背伸びをしたら大きな欠伸が出た。
「や、猫が欠伸をしたぜ」と大入道が云つた。

(「第一章」より)
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◎Contents
贋作 吾輩は猫である
全十二章
 
解説:平山三郎
「贋作 吾輩は猫である」雑記
カバー:田村義也

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1983年 初版
□size:15x11cm
□page:277
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ
三方ヤケ

» 小説
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