江分利満氏の酒食生活（山口瞳著）- ランティエ叢書 32

Item

江分利満氏の酒食生活（山口瞳著）- ランティエ叢書 32

「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞を受けた山口瞳が記した、酒食、行きつけの店、飲み交わした人々の話などを編んだエッセイ集。

嵐山光三郎が、解説に「山口さんは一生懸命の店を愛した人である。バーでもレストランでも、モクモクと自分の道を歩いている人を大切にした」と書いている。人の心の機微を巧みにすくいとる、熟達の筆を堪能できる一冊。
-------------------------------
主人夫婦が神経質で綺麗好きという店がある。どうかすると、その点で、客に当ったり客と喧嘩になったりする店がある。ここで私が基準にしているのは、その店の手洗いに備えつけてある手拭いで手が拭けるかどうかということである。（略）
飲食店では、時に女中を叱りとばしたり、こちらの神経にカチンとくるようなことがあっても、神経質なくらい綺麗好きな夫婦の方が安心だというのが私の考え方であるが、これも偏見であろうか。

（「行きつけの店」より）
-------------------------------
◎Contents
1 酒の話
　　幻のマルチニ
　　うまくない葡萄酒
　　バー調査
　　ビールの利尿作用
　　酒飲まぬ奴
　　宿酔
　　大日本酒乱党宣言
　　宴会三題噺
2 食の話
　　食通
　　ハヤシライス
　　葱鮪鍋
　　うまいもの
3 行きつけの店
　　浅草　並木の藪の鴨なんばん
　　金沢　つる幸の鰯の摘入れ
　　横浜住吉町　八十八の鰻丼
　　倉敷　千里十里庵の焼き蟹
4 礼儀作法
　　酒の飲み方
　　食器類
　　酒場についての知恵
　　通ぶる人
　　季節の野菜
山口瞳略年譜
初出・所収一覧
解説：嵐山光三郎　　　　

ハードカバー　ダストカバー
□publisher：角川春樹事務所
□date of issue：2002年初版
□size：15.8x11.3cm
□page：217
□condition：経年なり・普通　カバースレ汚れ傷み

» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663