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理想の良人(丹羽文雄 著、佐野繁次郎 装幀)
戦前、永井龍男の評価を得て新進作家として注目され、戦後、数多くの大衆小説を著して流行作家となった丹羽文雄が、昭和22年に刊行した短篇小説集。
子供のように自由奔放にふるまう妻が望むまま、青年たちを家に住まわせ、同衾を許す夫。台湾帰りの奇妙な中年夫婦の姿態を描く表題作「理想の良人」ほか、三篇を収録。
あとがきに「私は今日まで四百字詰原稿用紙を約三萬枚書きつぶしてゐる。そして漸くたどりついたのが「理想の良人」であり、「厭がらせの年齢」であり、「六軒」である」と記されており、自ら恃むところすこぶる厚い作品集であったことがうかがわれる。
装幀、佐野繁次郎。
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「みんなして、あたしを」と繰り返してゐる内に、わあつと泣きの發作が來た。淑子は自分の床に坐つて、泣き出した。妻に泣き出されたと、いよいよもつて館の頭は混亂した。何か言ひたい、何かしてやりたい、何かの手段はないものかと焦るのだが、さて、何とも致し方はないのである。
(「理想の良人」より)
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◎Contents
理想の良人
六軒
厭がらせの年齢
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:風雪社
□date of issue:1947年 初版
□size:21.5x15cm
□page:156
□condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷みシミ
背ヤケ強 三方ヤケ 経年シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
子供のように自由奔放にふるまう妻が望むまま、青年たちを家に住まわせ、同衾を許す夫。台湾帰りの奇妙な中年夫婦の姿態を描く表題作「理想の良人」ほか、三篇を収録。
あとがきに「私は今日まで四百字詰原稿用紙を約三萬枚書きつぶしてゐる。そして漸くたどりついたのが「理想の良人」であり、「厭がらせの年齢」であり、「六軒」である」と記されており、自ら恃むところすこぶる厚い作品集であったことがうかがわれる。
装幀、佐野繁次郎。
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「みんなして、あたしを」と繰り返してゐる内に、わあつと泣きの發作が來た。淑子は自分の床に坐つて、泣き出した。妻に泣き出されたと、いよいよもつて館の頭は混亂した。何か言ひたい、何かしてやりたい、何かの手段はないものかと焦るのだが、さて、何とも致し方はないのである。
(「理想の良人」より)
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◎Contents
理想の良人
六軒
厭がらせの年齢
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:風雪社
□date of issue:1947年 初版
□size:21.5x15cm
□page:156
□condition:経年なり・可 表紙ヤケスレ汚れ傷みシミ
背ヤケ強 三方ヤケ 経年シミ
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