結ぶ（皆川博子著）

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1972年にデビューして以来、ミステリー、幻想小説、歴史小説、時代小説など、ジャンルを越境した傑作群を半世紀にわたって生み出し続けてきた、孤高の作家・皆川博子。

身体を縫い縮められ、アルマジロのような球体へと変貌させられていく主人公の「語り」が、読者を官能の極みへと導く表題作「結び」ほか。魔術のような言葉を連ね、綺想の限りを尽くした十八編を収録。1998年に刊行された単行本の文庫化。

同年に刊行された『ゆめこ縮緬』とともに、皆川幻想文学の頂点に位置するともいわれる記念碑的作品集。
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そこは縫わないでと頼んだのに、縫われてしまった。
昨日も一昨日も縫われた。
こんなに縫われると、見た目もよくないと思う。
腕の内側とかふくら脛などは、二筋ならべて縫って縫い縮めるときれいだという。たしかに一筋だけよりギャザーがしっかりしていいけれど、耳の縁を縫い縮められるのは、気持ち悪かった。気持ちよかったのだろうか。

（「結ぶ」より）
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◎Contents
結ぶ
湖底
水色の煙
水の琴
城館
水族写真館
レイミア
花の眉間尺
空の果て
川
蜘蛛時計
火蟻
U Bu Me
心臓売り
薔薇密室
薔薇の骨
メキシコのメロンパン
天使の倉庫

ソフトカバー　ダストカバー　帯あり
□publisher：創元推理文庫
□date of issue：2013年初版
□size：15x10.5cm
□page：358
□condition：経年なり・良好　少当たり

» 小説
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