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安閑園の食卓 私の台南物語(辛永清 著)
1955年に台湾から来日し、「NHKきょうの料理」ほかの料理番組、雑誌、講演などで活躍した料理研究家、辛永清。
台湾の古い街、台南の郊外にたたずむ広大な屋敷「安閑園」に育った著者が、子供時代の食の記憶を丹念に綴るエッセイ集。各章の末尾に、題材に即した台湾料理のレシピが掲載されている。
大家族のにぎわいと料理の匂いが立ちのぼり、人生の細部を愛することの歓びに心打たれる。1986年に刊行された単行本の文庫化。
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父の誕生日が近づくと、母は燕の巣を集めにかかった。燕の巣を甘く蒸した点心が父の好物で、なんとかしてこれを誕生日の食卓に出したいのである。
だがよく知られているとおり、燕の巣は高価でそのうえたいへん稀少なものだから、思うように手に入らない。八方手をつくしても、家族全員の分がそろわない年が何度かあった。
「食べるまねだけよ」
母は、あらかじめみんなに念をおす。父は食卓をみまわして、
「よし、みんなの分あるな」
と、うれしそうに食べた。
(「父の誕生日」より)
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1 宝石売りのおばあさん
2 父の誕生日
3 一族の絆
4 血液料理をご存知ですか
5 仏間のお供えもの
6 二人のお医者さん
7 内臓料理の話
8 南の国の結婚式
9 お正月のご馳走
10 恵おばのこと
11 大家族の台所
12 紅桃姑の精進料理
母の思い出(辛正仁)
解説:林真理子
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:集英社文庫
□date of issue:2010年 初版
□size:15x10.6cm
□page:328
□condition:経年なり・良好
★商品写真を撮影し直し、再アップしました
» 随筆・エッセイ
https://narda.thebase.in/categories/1326663
台湾の古い街、台南の郊外にたたずむ広大な屋敷「安閑園」に育った著者が、子供時代の食の記憶を丹念に綴るエッセイ集。各章の末尾に、題材に即した台湾料理のレシピが掲載されている。
大家族のにぎわいと料理の匂いが立ちのぼり、人生の細部を愛することの歓びに心打たれる。1986年に刊行された単行本の文庫化。
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父の誕生日が近づくと、母は燕の巣を集めにかかった。燕の巣を甘く蒸した点心が父の好物で、なんとかしてこれを誕生日の食卓に出したいのである。
だがよく知られているとおり、燕の巣は高価でそのうえたいへん稀少なものだから、思うように手に入らない。八方手をつくしても、家族全員の分がそろわない年が何度かあった。
「食べるまねだけよ」
母は、あらかじめみんなに念をおす。父は食卓をみまわして、
「よし、みんなの分あるな」
と、うれしそうに食べた。
(「父の誕生日」より)
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1 宝石売りのおばあさん
2 父の誕生日
3 一族の絆
4 血液料理をご存知ですか
5 仏間のお供えもの
6 二人のお医者さん
7 内臓料理の話
8 南の国の結婚式
9 お正月のご馳走
10 恵おばのこと
11 大家族の台所
12 紅桃姑の精進料理
母の思い出(辛正仁)
解説:林真理子
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:集英社文庫
□date of issue:2010年 初版
□size:15x10.6cm
□page:328
□condition:経年なり・良好
★商品写真を撮影し直し、再アップしました
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