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花々と星々と(犬養道子 著)

花々と星々と(犬養道子 著)
五・一五事件で凶弾に倒れた犬養毅の孫にあたる、文筆家・犬養道子が幼少期から少女期にいたる思い出を、感受性豊かなみずみずしい文章で綴った自伝。

白樺派の作家から政界へと進んだ犬養健の長女として生まれた著者の自宅は、志賀直哉、岸田劉生など、著名な文人、画家たちが、普通の「おじさん」として出入りする、戦前のモダンな文化の香り漂うサロンのような空間だった。

岸田劉生に連れられてやってきた「麗子」と遊んだ思い出について、「麗子像の麗子さんと、本物の麗子さんは、驚くばかりそっくりだった」と記されている。

1974年に刊行された単行本に、「五・一五事件」の現場に居合わせた生々しい体験を、少女の目線で記した2章を加えて増補した文庫版。
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こめかみと顎にまともに弾丸を受けて血汐の中でお祖父ちゃまは、卓に両手を突っ張り、しゃんと坐っていた。指は煙草を落としていなかった。
母につづいてこれまた難に気づいて台所から馳せ入ったお祖父ちゃま付きのあのテルが、おろおろすがりつく手を払うと、「呼んで来い、いまの若いモン、話して聞かせることがある」と命じてからちょっと待て、まず「煙草に火をつけろ」しかし火はつかなかった。テルが激しく震えていたからである。

(「晴れた暗い日」より)
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◎Contents
陶器の玩具
黄味しぐれ
東中野千七百
窓辺
黒衣の人
維新の血
偽主義者たち
セドドイド
孤影
人の去るとき
海辺にて

榧の木の官邸
晴れた暗い日

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:中公文庫
□date of issue:1984年 8版(1974年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:327
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ
三方ヤケ 小口くすみ P321小切れ(写真9枚目)

» 随筆・エッセイ
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