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新版「昭和二十年」東京地図(西井一夫 著、平嶋彰彦 写真)

新版「昭和二十年」東京地図(西井一夫 著、平嶋彰彦 写真)
「カメラ毎日」編集長を務めた筆者が、戦災消失地域表示の付いた『東京三十五区区分地図帖』(昭和21年刊)を手にして、東京の街をつぶさに見て歩き、戦後40年を経て「失ったもの」と「かろうじて残ったもの」について綴った写真エッセイ集。

山田風太郎、久保田万太郎、永井荷風、内田百間、高見順らの作品を縦横に引用し、戦前戦後の東京の文化や世相を表す事象をさまざまに織り込みながら、ノスタルジーにとどまらない重層的な「視点」を提示する。

1985年に「毎日グラフ」に連載され、86/87年に単行本として刊行された『昭和二十年東京地図』『続・昭和二十年東京地図』をもとに再編集した文庫版。
連載当時からさらに40年近い時を経て、本書に写し出された「かろうじて残ったもの」の多くが「失ったもの」になりつつあることを思うと感慨深い。
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外濠の新橋と土橋の間には難波橋があったのだが、これは泪橋から来ている。山谷の泪橋と同じく、こちらの涙橋の江戸所払いの境界であり、鈴ヶ森の刑場へ向う道筋にあった。この難波橋から見ると、正面に新橋駅、左手に工業会館が見える。
敗戦直後の新橋闇市は、この工業会館前の強制疎開跡地にできた。もともと外食券食堂が二軒あって、外食券の闇屋が徘徊し行列ができ、行列相手に物を売るものが現われ、闇市ができたのだろうと高見順は推測する。

(「其の六 新橋・銀座・日本橋」より)
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◎Contents
其の一  浅草
其の二  麻布・三田・芝
其の三  目黒・品川
其の四  本郷・谷中・上野
其の五  有楽町・神田・番町
其の六  新橋・銀座・日本橋
其の七  深川・本所・向島
其の八  下谷・三河島・王子
其の九  板橋・池袋・小石川
其の十  早稲田・落合・中野
其の十一 牛込・四谷・新宿
其の十二 代々木・渋谷・青山
其の十三 亀戸・木下川・小岩
其の十四 阿佐ヶ谷・荻窪・和泉
其の十五 鳥山・豪徳寺・喜多見
其の十六 田園調布・大森・蒲田
其の十七 東村山・立川

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:ちくま文庫
□date of issue:2002年 8刷(1992年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:375
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ折れ上端ヨレ
背ヤケ退色

» 随筆・エッセイ
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