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漱石俳句を愉しむ(半藤一利 著)

漱石俳句を愉しむ(半藤一利 著)
2021年1月に逝去したジャーナリスト半藤一利は、妻・末利子が夏目漱石の孫にあたることもあって、漱石にまつわる随筆を数多く手がけている。

本書は、1996年に『熊本日日新聞』に連載した「漱石くまもと100句」に書き下ろしを加えて刊行した新書本。松山・熊本時代に漱石が残した俳諧味あふれる俳句を、想像力と好奇心を駆使して読みといていく。興趣の尽きない鑑賞文集。
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本名は頓とわからず草の花

熊本時代に江戸ッ子漱石が、大いに植物の美しさに目をひらかれたことは『草枕』を読むことでだれにもわかる。生まれつき視覚的絵画型の感受性にとみ、形や色をとおして自然をみる、そこに漱石の将来の特色があった。それが熊本でいっそう研ぎすまされた。
菜の花、タンポポ、山桜、海堂、水仙、菫、椿、木蓮、木瓜、桃、蜜柑 —— 『草枕』は一種の植物図鑑である。

(「白秋の章」より)
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◎Contents
はじめの章
青春の章
 朦朧と霞に消ゆる巨人哉
 ものいはず童子遠くの梅を指す
 菫程な小さき人に生れたし
朱夏の章
 短夜の芭蕉は伸びて仕まひけり
 もう寢ずばなるまいなそれも夏の月
 叩かれて昼の蚊を吐く木魚哉
白秋の章
 月に行く漱石妻を忘れたり
 本名は頓とわからず草の花
 長けれど何の糸瓜とさがりけり
玄冬の章
 吉良殿のうたれぬ江戸は雪の中
 安々と海鼠の如き子を生めり
 行く年や猫うづくまる膝の上
おまけの章

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:PHP新書
□date of issue:1997年 初版
□size:17.5x10.5cm
□page:213
□condition:経年なり・普通 カバー汚れ上端ヨレ

» 随筆・エッセイ
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