Item
透きとおった季節(高田桂子 著、宇野亜喜良 装幀・装画)
玉村晶、小学五年生。揺れ動く胸の内をいつも人形のマーシャに語りかける。優等生の仮面の下の傷つきやすい心、母親の強すぎる愛情、父親の不在——。
前奏曲、狂想曲、夜想曲、明日への序曲と名付けられた各章の扉が開くたび、物語は転調し、少女は大人へと近づいていく。まだ何者でもない、思春期という「透きとおった季節」を描く児童文学。
装幀・装画、宇野亜喜良。絵と数字を組み合わせた扉デザインがとても洒落ている。
----------------------
ベッドをすべりおりて、ほてった顔を窓ガラスに押しあてた。
真夜中だった。
暗闇に広がる、電柱の光の輪。光の輪を、奇怪なもように染めわける家々や木々の影。ときおり、自動車がよぎる。一瞬にして、くずれ去る影。一瞬にして、またよみがえる、光と影。いくどとなく繰り返される、夜の儀式。
不安だった。
晶は、つばを飲み込もうとした。熱いかたまりが、のどにつかえて、どうしても飲み込めない。
(「前奏曲 プレリュード」より)
----------------------
◎Contents
第一章 前奏曲 プレリュード
第二章 狂想曲 ラプソディー
第三章 夜想曲 ノクターン
第四章 明日への序曲 オーヴァチュア
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:理論社
□date of issue:1984年3刷(1983年初版)
□size:21x15.5cm
□page:253
□condition:普通 カバースレ汚れ上端ヨレ
小口点シミ 裏見返しラベル剥がし跡(写真9枚目)
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
前奏曲、狂想曲、夜想曲、明日への序曲と名付けられた各章の扉が開くたび、物語は転調し、少女は大人へと近づいていく。まだ何者でもない、思春期という「透きとおった季節」を描く児童文学。
装幀・装画、宇野亜喜良。絵と数字を組み合わせた扉デザインがとても洒落ている。
----------------------
ベッドをすべりおりて、ほてった顔を窓ガラスに押しあてた。
真夜中だった。
暗闇に広がる、電柱の光の輪。光の輪を、奇怪なもように染めわける家々や木々の影。ときおり、自動車がよぎる。一瞬にして、くずれ去る影。一瞬にして、またよみがえる、光と影。いくどとなく繰り返される、夜の儀式。
不安だった。
晶は、つばを飲み込もうとした。熱いかたまりが、のどにつかえて、どうしても飲み込めない。
(「前奏曲 プレリュード」より)
----------------------
◎Contents
第一章 前奏曲 プレリュード
第二章 狂想曲 ラプソディー
第三章 夜想曲 ノクターン
第四章 明日への序曲 オーヴァチュア
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:理論社
□date of issue:1984年3刷(1983年初版)
□size:21x15.5cm
□page:253
□condition:普通 カバースレ汚れ上端ヨレ
小口点シミ 裏見返しラベル剥がし跡(写真9枚目)
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
