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石狩少女(いしかりをとめ)(森田たま 著、初山滋 装幀・扉絵)
森田たま(1894-1970)は、雑誌『少女世界』への投稿が認められ、10代の時に札幌から上京し、少女小説でデビュー。1936年に『もめん随筆』を刊行して以来、戦前戦後にわたって数多くの随筆を著し、女性エッセイストの先駆けとなりました。
「石狩少女」は、自伝的な少女小説。主人公の野村悠紀子は、北海道の大地に育まれた、強い意志と伸びやかな感性をもった文学少女。文筆家を志し、許嫁の待つ内地へと旅立つが、そこにはきびしい現実が待っていた……。
装幀・扉のカット画は、初山滋が手がけています。
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悠紀子は空を眺める事が好きであつた。それは彼女がもの心つく三つの年から四年越し、札幌近郊の林檎畑で育つた頃についた習慣であつたかもしれないし、それともやはり先天的に潜んでゐた感情であるかも知れない。人間が死んで長く地に埋もれてしまふと考へる事は我慢なりがたく、死ねば大空高く身も心もかるがると飛翔して、白雲の中へとけいると思ひたかつた。(本文より)
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:實業之日本社
□date of issue:1940年 13版(1940年 初版)
□size:18.5x12.6cm
□page:268
□condition:経年なり・可 ヤケスレ汚れシミ傷みゆがみ 表紙破れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
「石狩少女」は、自伝的な少女小説。主人公の野村悠紀子は、北海道の大地に育まれた、強い意志と伸びやかな感性をもった文学少女。文筆家を志し、許嫁の待つ内地へと旅立つが、そこにはきびしい現実が待っていた……。
装幀・扉のカット画は、初山滋が手がけています。
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悠紀子は空を眺める事が好きであつた。それは彼女がもの心つく三つの年から四年越し、札幌近郊の林檎畑で育つた頃についた習慣であつたかもしれないし、それともやはり先天的に潜んでゐた感情であるかも知れない。人間が死んで長く地に埋もれてしまふと考へる事は我慢なりがたく、死ねば大空高く身も心もかるがると飛翔して、白雲の中へとけいると思ひたかつた。(本文より)
絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:實業之日本社
□date of issue:1940年 13版(1940年 初版)
□size:18.5x12.6cm
□page:268
□condition:経年なり・可 ヤケスレ汚れシミ傷みゆがみ 表紙破れ
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