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聖ヨハネ病院にて(上林暁 著)- 新潮文庫の復刊
精神を病んだ妻の介添を続けながら、作家の夫は小説を書き進める──自嘲と献身の狭間に揺れる姿を描いた「病妻もの」の嚆矢『聖ヨハネ病院にて』ほか、全7篇を収録した短篇集。
新刊で現在入手可能な講談社文芸文庫版は「新仮名遣い」に直されているが、本書は執筆時と同じ「旧仮名遣い」で組まれており、作者の息遣いがそのまま伝わってくる思いがする。
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僕はこの頃、聖ヨハネ病院の一室で寝泊まりしていゐる。この病院の精神病科へ移つて來てゐる妻を看取るためである。
数日間、半月分の入院費を拂ひに來たら、係りの看護婦が、一寸話したいことがあるから來てくれと言ふことだつたので、僕は看護婦室へ行つた。奥さんが非常に衰弱してゐて、いつ如何なることが起るかも知れないから、附添ひを附けてくれと言ふ話だつた。
(「聖ヨハネ病院にて」より)
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◎Contents
薔薇盗人
天草土産
野
二閑人交游圖
小便小僧
明月記
聖ヨハネ病院にて
解説:伊藤整
絶版または版元品切れ 帯あり
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:新潮文庫
□date of issue:1993年13刷(1949年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:258
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ
ページ上部少たわみ(写真2、3枚目)奥付ページ角折れ
★栞ひもが切れてなくなっています(写真4枚目)
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
新刊で現在入手可能な講談社文芸文庫版は「新仮名遣い」に直されているが、本書は執筆時と同じ「旧仮名遣い」で組まれており、作者の息遣いがそのまま伝わってくる思いがする。
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僕はこの頃、聖ヨハネ病院の一室で寝泊まりしていゐる。この病院の精神病科へ移つて來てゐる妻を看取るためである。
数日間、半月分の入院費を拂ひに來たら、係りの看護婦が、一寸話したいことがあるから來てくれと言ふことだつたので、僕は看護婦室へ行つた。奥さんが非常に衰弱してゐて、いつ如何なることが起るかも知れないから、附添ひを附けてくれと言ふ話だつた。
(「聖ヨハネ病院にて」より)
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◎Contents
薔薇盗人
天草土産
野
二閑人交游圖
小便小僧
明月記
聖ヨハネ病院にて
解説:伊藤整
絶版または版元品切れ 帯あり
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:新潮文庫
□date of issue:1993年13刷(1949年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:258
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ
ページ上部少たわみ(写真2、3枚目)奥付ページ角折れ
★栞ひもが切れてなくなっています(写真4枚目)
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