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群像 2020年7月号(今村夏子『とんこつQ&A』ほか)

群像 2020年7月号(今村夏子『とんこつQ&A』ほか)
今村夏子『とんこつQ&A』(第39回織田作之助賞候補作)初出誌。

そのほか、井戸川射子『膨張』、堀江敏幸『二月のつぎに七月が』、蓮實重彦『ショットとは何か』、柄谷行人『コロナウイルスと古井由吉』、皆川博子『辺境図書館─フアン・ホセ・サエール「孤児」』など。
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「とんこつ」という名前の中華料理店で働きだして今年で七年目になる。お客さんから「大将」と呼ばれている店主と、大将の息子さん(わたしは「ぼっちゃん」と呼んでいる)の二人だけで切り盛りしていたこの店に、わたしが雇われたのは二〇一四年春のことだった。(略)
恥ずかしい話だけど、「とんこつ」で働きだしてしばらくの間、わたしは「いらっしゃいませ」と言うことすらできなかった。「いらっしゃいませ」を言えないわたしは、「ありがとうございました」も言えなかった。空いたお皿を下げることも、注文を取りにいくこともできなかった。九時間の労働時間の内、八時間は直立不動で立ち続ける、なんていうことはしょちゅうだった。

(『とんこつQ&A』今村夏子 より)
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◎Contents
とんこつQ&A(今村夏子)
膨張(井戸川射子)
「論」の遠近法
 考えることを守る(東浩紀)
 コロナウイルスと古井由吉(柄谷行人)
 ばば抜きのゴッサム・シティ(古川日出男)
ショットとは何か(蓮實重彦)
ガザ・西岸地区・アンマン(いとうせいこう)
ゴッホの犬と耳とひまわり(長野まゆみ)
鉄の胡蝶は夢に記憶に歳月を彫るか(保坂和志)
二月のつぎに七月が(堀江敏幸)
所有について(鷲田清一)
辺境図書館─フアン・ホセ・サエール「孤児」(皆川博子)
現代短歌ノート(穂村弘)
私の文芸文庫・万延元年のフットボール(綿矢りさ)
書評
 花村萬月『帝国』(豊崎由美)
第63回群像新人文学賞発表
 優秀作・四月の岸辺(湯浅真尋)ほか

表紙:タチカワミドリ

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:講談社
□date of issue:2020年
□size:21x14.8cm
□page:580
□condition:経年なり・普通 表紙スレ

» 小説
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