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サバクの虹(坪田譲治 著、川端実 画)- 岩波少年文庫

サバクの虹(坪田譲治 著、川端実 画)- 岩波少年文庫
1974年から85年まで刊行された「ペーパーバック版」の岩波少年文庫より。

近代日本の児童文学の先駆者・坪田譲治が、150冊目(!)の記念すべき刊行本として、大正期から書き継いできた約400篇の作品の中から、特に愛着の深い15篇を自選した作品集。

荒涼とした砂漠に突然大雨が降り、虹が立ち、神話的世界が展開していく表題作「サバクの虹」、戦前の日本人移民がアマゾンの奥地を旅してまわる「ペルーの話」など、児童文学の多様な可能性をひらいた坪田文学の真髄が集められている。
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ある年の、夏のある日のことでした。このさびしい―そこはサバクだったのですが―山と野原の世界をかこんで、銀色にかがやく雲のみねがたちました。
雲のみねはむくむくもりあがっていて、高い塔のように見えたり、大きな大入道のような形をしていたり、ほとけさまがハスの花の上にすわっているすがたになったりしていました。
地上がものすごいさびしさなのに、空がこんなに美しかったので、もしこのサバクに人間のひとりでもすんでいたら、
「これは天国のお祭りがはじまったのかもしれないぞ。」
と、そんなことを思ったにちがいありません。

(「サバクの虹」より)
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◎Contents
サバクの虹
犬と友だち
カッパの話
魔法
まさかの時

小川の葦
甚七おとぎばなし
お馬
キツネ狩り

ペルーの話
よるの夢 ひるの夢
コマ
善太の四季
あとがき(坪田譲治)
解説(鳥越信)

挿絵:川端実

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:岩波少年文庫
□date of issue:1977年 12刷(1958年 初版)
□size:17.2x11.5cm
□page:278
□condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ 
背ヤケ 三方ヤケ

» 小説
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