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黒いハンカチ(小沼丹 著)
☆2024.8.21 再掲
第三の新人の一人として、戦後の純文学に独自の地歩を築いた小沼丹は、軽妙洒脱な探偵小説の名手でもあった。
A女学院のニシ・アズマ先生のもとに、毎回ちょっとした謎が持ち込まれる、あるいは先生自らが謎を見つけ出す。それを、鋭い観察眼と明晰な頭脳で解き明かしていくという趣向で書かれた、乾いたユーモアに満ちた連作推理小説。
昭和三十二年四月から一年間にわたって雑誌『新婦人』に連載された12編をまとめた単行本の文庫化。
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男は黙っていた。しかし、やがてベレエ帽を取り、眼鏡を外し、上着を脱いだ。ヨシオカ先生は吃驚仰天したが、賢明なる読者は既にご明察でもあろう。
そこに坐っているのは、他でもない、例の青い背広の男と二人で正門から這入って来た女だったのである。彼女は、上着の胸ポケットから黒いハンカチを引張り出すと額を拭った。
ニシ・アズマその黒いハンカチを見ながら笑った。
— もし、あなたが黒いハンカチを持っていなかったら、あたし、こんなお節介しなくても済んだかもしれなくてよ。
(「黒いハンカチ」より)
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◎Contents
指輪
眼鏡
黒いハンカチ
蛇
十二号
靴
スクェア・ダンス
赤い自転車
手袋
シルク・ハット
時計
犬
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:創元推理文庫
□date of issue:2003年 4版(2003年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:232
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
第三の新人の一人として、戦後の純文学に独自の地歩を築いた小沼丹は、軽妙洒脱な探偵小説の名手でもあった。
A女学院のニシ・アズマ先生のもとに、毎回ちょっとした謎が持ち込まれる、あるいは先生自らが謎を見つけ出す。それを、鋭い観察眼と明晰な頭脳で解き明かしていくという趣向で書かれた、乾いたユーモアに満ちた連作推理小説。
昭和三十二年四月から一年間にわたって雑誌『新婦人』に連載された12編をまとめた単行本の文庫化。
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男は黙っていた。しかし、やがてベレエ帽を取り、眼鏡を外し、上着を脱いだ。ヨシオカ先生は吃驚仰天したが、賢明なる読者は既にご明察でもあろう。
そこに坐っているのは、他でもない、例の青い背広の男と二人で正門から這入って来た女だったのである。彼女は、上着の胸ポケットから黒いハンカチを引張り出すと額を拭った。
ニシ・アズマその黒いハンカチを見ながら笑った。
— もし、あなたが黒いハンカチを持っていなかったら、あたし、こんなお節介しなくても済んだかもしれなくてよ。
(「黒いハンカチ」より)
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◎Contents
指輪
眼鏡
黒いハンカチ
蛇
十二号
靴
スクェア・ダンス
赤い自転車
手袋
シルク・ハット
時計
犬
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:創元推理文庫
□date of issue:2003年 4版(2003年 初版)
□size:15x10.5cm
□page:232
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ
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