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平林たい子 毒婦小説集(平林たい子 著)
☆2024.8.18 再掲
不治の病いに苦しむ夫の薬代のために殺人を犯す「高橋お伝」、愛しい男を追って罪人となり流刑地に赴く「妲己のお百」、男の裏切りに死で報いた新橋芸者「花井お梅」。
世間を震撼とさせた伝説の「毒婦」たちを、時代に翻弄され、純粋な愛を貫いた悲劇の主人公という視点で捉え、その生と性を描ききった3篇を収録。
作家・河野多惠子が解説で「大ロマンティストにして大リアリスト」と評している著者の面目躍如たる作品集。
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「可愛い男!可愛い男!がりがり噛んで食べてしまいたい……」
お百は人にきこえないように、杜若の耳のそばで囁きながら杜若をがたがたゆすぶっていた。
ともあれ、こんなみじめな地獄の一丁目に来ても、逃げるという新しい目標が与えられたことは幸福だった。何かそんな目標をもって緊張していさえすれば、生の屈託も失望も知らずに、生き生きとその日その日を充実させて生きることができるのだ。
(「妲己のお百」より)
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◎Contents
高橋お伝
妲己のお百
花井お梅
解説:河野多惠子
年譜、著者目録:中尾務
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:講談社文芸文庫
□date of issue:2006年 初版
□size:15x10.6cm
□page:320
□condition:経年なり・良好 カバースレ
裏見返しラベル剥がし跡
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
不治の病いに苦しむ夫の薬代のために殺人を犯す「高橋お伝」、愛しい男を追って罪人となり流刑地に赴く「妲己のお百」、男の裏切りに死で報いた新橋芸者「花井お梅」。
世間を震撼とさせた伝説の「毒婦」たちを、時代に翻弄され、純粋な愛を貫いた悲劇の主人公という視点で捉え、その生と性を描ききった3篇を収録。
作家・河野多惠子が解説で「大ロマンティストにして大リアリスト」と評している著者の面目躍如たる作品集。
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「可愛い男!可愛い男!がりがり噛んで食べてしまいたい……」
お百は人にきこえないように、杜若の耳のそばで囁きながら杜若をがたがたゆすぶっていた。
ともあれ、こんなみじめな地獄の一丁目に来ても、逃げるという新しい目標が与えられたことは幸福だった。何かそんな目標をもって緊張していさえすれば、生の屈託も失望も知らずに、生き生きとその日その日を充実させて生きることができるのだ。
(「妲己のお百」より)
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◎Contents
高橋お伝
妲己のお百
花井お梅
解説:河野多惠子
年譜、著者目録:中尾務
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:講談社文芸文庫
□date of issue:2006年 初版
□size:15x10.6cm
□page:320
□condition:経年なり・良好 カバースレ
裏見返しラベル剥がし跡
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