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少女百面相(佐々木邦 著、河目悌二 挿絵)
ユーモア文学の先駆者・佐々木邦が昭和七年に『少女倶楽部』に連載した長編小説。
とある地方の県知事の令嬢・伊達鹿の子さんは、きかんきだけど明るい性格。親友の中島京子さん、ライバルの梅村純子さんらと、少女らしい意地の張り合いを繰り広げる。昭和初期の中流家庭の女学生たちの、ちょっとおすましした会話が楽しい。
初山茂、武井武雄らとともに「童画の第一世代」とも呼ばれる河目悌二の描く女学生たちの姿が、とても可愛らしい。
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「あら、危ないぢゃありませんか?私、溝へ落ちてしまひますわ。」
と京子さんは鼻を鳴らした。鹿の子さんが一生懸命になつて押して行つたのだ。
「落ちれば罰よ。」
「何の罰?」
「梅村さんを贔屓する罰よ。」
「まあ!」
「私、もうあなたの心が分かつたわ。」
「どう分つて?」
「二心よ。」
「ひどいわ。」
「でも何かといふと梅村さんの贔屓をなさるぢやありませんか。」
「贔屓ぢやありませんわ。」
「それぢやあなに?」
「私、同級生は誰でも同じやうにしたいと思ひますの。」
(「逃げた小鳥」より)
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◎Contents
縣廳坂
こだはる癖
逃げた小鳥
ペルシヤ猫
大器晩成
鹿の子さん時代
兄さんの成績
天下の大勢
大臣の夢
友の別れ
終業式の日
十目の見る所
絶版または版元品切れ
ハードカバー
□publisher:大日本雄辯會講談社
□date of issue:1936年 14版(1933年 初版)
□size:18.8x13.5cm
□page:230
□condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ傷み
経年シミ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
とある地方の県知事の令嬢・伊達鹿の子さんは、きかんきだけど明るい性格。親友の中島京子さん、ライバルの梅村純子さんらと、少女らしい意地の張り合いを繰り広げる。昭和初期の中流家庭の女学生たちの、ちょっとおすましした会話が楽しい。
初山茂、武井武雄らとともに「童画の第一世代」とも呼ばれる河目悌二の描く女学生たちの姿が、とても可愛らしい。
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「あら、危ないぢゃありませんか?私、溝へ落ちてしまひますわ。」
と京子さんは鼻を鳴らした。鹿の子さんが一生懸命になつて押して行つたのだ。
「落ちれば罰よ。」
「何の罰?」
「梅村さんを贔屓する罰よ。」
「まあ!」
「私、もうあなたの心が分かつたわ。」
「どう分つて?」
「二心よ。」
「ひどいわ。」
「でも何かといふと梅村さんの贔屓をなさるぢやありませんか。」
「贔屓ぢやありませんわ。」
「それぢやあなに?」
「私、同級生は誰でも同じやうにしたいと思ひますの。」
(「逃げた小鳥」より)
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◎Contents
縣廳坂
こだはる癖
逃げた小鳥
ペルシヤ猫
大器晩成
鹿の子さん時代
兄さんの成績
天下の大勢
大臣の夢
友の別れ
終業式の日
十目の見る所
絶版または版元品切れ
ハードカバー
□publisher:大日本雄辯會講談社
□date of issue:1936年 14版(1933年 初版)
□size:18.8x13.5cm
□page:230
□condition:経年なり・普通 表紙ヤケスレ汚れ傷み
経年シミ
» 小説
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