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小さな可能性(マルヨライン・ホフ 著、野坂悦子 訳)
オランダの少女キークのもとに、従軍医師として最前線に赴任しているお父さんが「行方不明」になったという知らせが届く。
心配でたまらないキークは、「お父さんが死んでしまう可能性」を小さくするために、あることを思いつく。「お父さんが死んじゃって、そのうえ、飼っているペットまで死んじゃう人は少ないはず」。
キークは、ペットショップで、寿命が短そうな、弱々しいネズミを選んで飼いはじめるのだが……。
いかにも子どもらしい「思いこみ」を通じて、人の心をまどわす「不安」というもののあり方を描き、オランダで最も権威のある児童文学賞「金の石筆賞」を受賞した、マルヨライン・ホフのデビュー作。
挿絵、丹地陽子。
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店の人は、その小箱をわたしの手にそっと乗せた。
「赤ちゃんなんだ、でも助からない」
ネズミがぴくっと足を動かした。
「どこかいたいの?」と、わたしはきく。
「いいや、もしいたがってたら、ぼくのほうでなんとかしてたはずだよ」
「しっかり世話をするわ」
「りっぱな行いだね。だが、長くはもたないよ。わかってるね?」
わたしはうなずいた。
(本文より)
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ハードカバー ダストカバー
□publisher:小学館
□date of issue:2010年初版
□size:19.5x13.8cm
□page:167
□condition:経年なり・良好
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
心配でたまらないキークは、「お父さんが死んでしまう可能性」を小さくするために、あることを思いつく。「お父さんが死んじゃって、そのうえ、飼っているペットまで死んじゃう人は少ないはず」。
キークは、ペットショップで、寿命が短そうな、弱々しいネズミを選んで飼いはじめるのだが……。
いかにも子どもらしい「思いこみ」を通じて、人の心をまどわす「不安」というもののあり方を描き、オランダで最も権威のある児童文学賞「金の石筆賞」を受賞した、マルヨライン・ホフのデビュー作。
挿絵、丹地陽子。
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店の人は、その小箱をわたしの手にそっと乗せた。
「赤ちゃんなんだ、でも助からない」
ネズミがぴくっと足を動かした。
「どこかいたいの?」と、わたしはきく。
「いいや、もしいたがってたら、ぼくのほうでなんとかしてたはずだよ」
「しっかり世話をするわ」
「りっぱな行いだね。だが、長くはもたないよ。わかってるね?」
わたしはうなずいた。
(本文より)
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ハードカバー ダストカバー
□publisher:小学館
□date of issue:2010年初版
□size:19.5x13.8cm
□page:167
□condition:経年なり・良好
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