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小さな町の風景(杉みき子 著、佐藤忠良 絵)

小さな町の風景(杉みき子 著、佐藤忠良 絵)
小川未明の出身地として知られる新潟県上越市に生まれ育ち、昭和30年代に児童文学者としてデビューして以来、長きにわたり故郷にとどまり作家活動を続けてきた、杉みき子の代表作。赤い鳥文学賞受賞。

愛してやまない「小さな町」にひろがる、坂・商店・鳥・橋・海など8つの風景にまつわる45の掌篇。国語の教科書にもいくつかの作品が採録されている、ゆたかな抒情性をたたえた言葉の宝石箱。

彫刻家・佐藤忠良による挿絵にも魅了される。
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― あの坂をのぼれば、海が見える。
少年は、いま、どうしても海が見たいのだった。こまかく言えばきりもないが、やりたくてやれないことのかずかずの重荷が背につもったとき、少年は、磁石が北を指すように、まっすぐに海を思ったのである。自分の足で、海を見てこよう。山ひとつこえたら、ほんとうに海があるのをたしかめてこよう、と。

(「坂のある風景 ― あの坂をのぼれば」より)
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◎Contents
▶︎坂のある風景
 風船売りのお祭り
 山へ行く道
 うば車
 あの坂をのぼれば
 ともしび
 遠い山脈
 商店のある風景
 時間を売る店
 小さなおもちゃ屋
 帽子屋の老人
 夜のくだもの屋
▶︎塔のある風景
 旗
 火の見やぐら健在
 風見鶏の見たもの
 ある時計台の歴史
 かたむいた十字架
▶︎木のある風景
 おぼろ月夜
 長い髪の少女
 風の木
 至福の季節
 炎
 雪くる前
 門
 春一番 
▶︎電柱のある風景
 電信柱に花が咲く
 雪の夜ばなし
 かくれんぼ
▶︎鳥のいる風景
 かもめ
 白鳥
 かも
 ふくろう
 白さぎ
 かっこう
 インコ
 ふたたび かもめ
▶︎橋のある風景
 にじのみえる橋
 ふしぎな橋
 小さな小さな橋
 よろこびの橋
 祈りの橋
▶︎海のある風景
 月夜のバス
 水族館幻想
 青い地図
 入り日のコーラス
 白馬の背にとびのって

ハードカバー ダストカバー
□publisher:偕成社
□date of issue:2002年22刷(1982年初版)
□size:21x15.2cm
□page:206
□condition:経年なり・普通 カバー裏 掻き傷あり

» 小説
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