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芸者小夏(舟橋聖一 著)
温泉芸者から妾となり、戦後社会を生き抜くひとりの女性の姿を描き、「夏子もの」として一世を風靡した連作小説の第一作。
岡田茉莉子や若尾文子を主演として映画化され、人気を博した。
温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも外に道はなく、夏子は十五で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに〝女〟になっていく。(カバー裏紹介文より)
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「芸者なんて、大きらいです」
「ふーん。そうかい」
久保先生は、やっぱりニコニコ笑っている。然し、夏子は、口では芸者を大きらいと云って居るが、やはり、女の子だから、美しい衣裳を見れば羨しいし、まだ、子供のくせに、一人前にチヤホヤされる半玉の姿には、憧れがないではない。
といって、自分の内部の、二重人格を追及する年齢ではないのだから、学校にいる間と、新叶家にいる間とを、うまく割切って、お互に矛盾や支障を来たさぬ様に、ふるまうことが出来るのであった。
(「芸者の子小夏」より)
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◎Contents
芸者の子小夏
小夏の夕化粧
夜の川と小夏
春雨の中の小夏
花散る晩の小夏
独り寝る小夏
紅い帯とく小夏
夏子の相合傘
夏子据風呂を買う
夏子の手のあじさい
旅やつれする夏子
夏子軽井沢へ行く
解説(松家仁之)
年譜・著者目録(久米勲)
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:講談社文芸文庫
□date of issue:2013年 初版
□size:15x10.6cm
□page:357
□condition:経年なり・良好
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
岡田茉莉子や若尾文子を主演として映画化され、人気を博した。
温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも外に道はなく、夏子は十五で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに〝女〟になっていく。(カバー裏紹介文より)
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「芸者なんて、大きらいです」
「ふーん。そうかい」
久保先生は、やっぱりニコニコ笑っている。然し、夏子は、口では芸者を大きらいと云って居るが、やはり、女の子だから、美しい衣裳を見れば羨しいし、まだ、子供のくせに、一人前にチヤホヤされる半玉の姿には、憧れがないではない。
といって、自分の内部の、二重人格を追及する年齢ではないのだから、学校にいる間と、新叶家にいる間とを、うまく割切って、お互に矛盾や支障を来たさぬ様に、ふるまうことが出来るのであった。
(「芸者の子小夏」より)
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◎Contents
芸者の子小夏
小夏の夕化粧
夜の川と小夏
春雨の中の小夏
花散る晩の小夏
独り寝る小夏
紅い帯とく小夏
夏子の相合傘
夏子据風呂を買う
夏子の手のあじさい
旅やつれする夏子
夏子軽井沢へ行く
解説(松家仁之)
年譜・著者目録(久米勲)
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:講談社文芸文庫
□date of issue:2013年 初版
□size:15x10.6cm
□page:357
□condition:経年なり・良好
» 小説
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