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アウトロウ半歴史(平野威馬雄 著、横尾忠則 装幀)

アウトロウ半歴史(平野威馬雄 著、横尾忠則 装幀)
大正期、二十歳で詩壇にデビューし、金子光晴に「早熟の天才」と賞賛された平野威馬雄。サトウハチロー、高村光太郎、大手拓次、北原白秋らと交友を深めるが、重度のコカイン中毒に苦しみ、アウトロウな生活に陥っていく。

日米混血であるためスパイとしての嫌疑をかけられて終戦を憲兵隊支所の牢獄で迎え、戦後は「レミの会」を組織して混血児の支援活動を展開した。

平野レミの実父としても知られる傑物が、天才少年として文壇に彗星のごとく登場した時から、暗く傷ましい昭和史をくぐり抜けた日々まで、波乱の半生を綴る自叙伝。

装幀、横尾忠則。巻頭巻末表紙に、モノクロ写真多数収録。
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「ああ、やっと殺されずにすんだ……」
赤羽の憲兵隊支所の牢獄から、とつぜん、
「帰っていい」と、呼び出された。
ぼくは、もう、魂のぬけた空ろな体だけになっていた。
太い丸太でつくった猛獣用の檻だった。
ぼくは、その格子につかまって、耳をすましたのだった。
憲兵どもは、直立不動で、顔を涙でくしゃくしゃにして聞いていた。
「玉音放送が、ぼくを虐殺から救ってくれた」
だが、なにもかも、まっくらだった。

(「墨田堤の脂肪の塊」より)
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◎Contents
墨田堤の脂肪の塊
教会から追われて
ストライキ終えて、くびになること
父を奪った女
ハダカの聖夜
異人のおわい屋
死刑を言いわたされた気持ち
女の匂いのする兵隊
高村光太郎の抒情詩的エピソード
『真白き富士の嶺』を焼くこと
月に吠える仲間たち
文学少年サトウハチローのこと
折伏されて本を出す
鳥にも国籍があるのか?
湖畔の天使園とは
アメ横の晋太郎の人殺し
ぼくには不似合いなことが二度
詩の世界では
しめくくり、差別のこと
そして、ぼくの生まれにからむ、いやな伝説

絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー 帯
□publisher:話の特集
□date of issue:1978年 初版
□size:19x13cm
□page:353
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み
帯背ヤケ褪色

» 評伝・ノンフィクション
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