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百鬼園日記帖(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集

百鬼園日記帖(内田百閒 著)- 旺文社文庫 全作品集
百閒の遺志に従い「旧仮名遣い」を用いて、昭和54年から59年まで刊行された旺文社文庫〈特別企画〉全作品集より。

大正6年7月、前年に師と仰ぐ漱石を失った28歳の百閒は「取りとめのない死の不安」にとりつかれ、「心の表を通り過ぎる印象、心の底から消えて行く記憶」を文字に残し、「創作の心覚」とすべく日記をつけ始める。

百閒は、初の著作『冥途』が世に出る大正11年まで日記を書き続け、20年後に『百鬼園日記帖』『続百鬼園日記帖』として刊行。本書は、その二冊の単行本を、附録「箏曲私見」を除いて一冊としたもの。

『冥途』の制作過程などが記された貴重な記録であるとともに、日記体の「随筆」として読み応えのある内容となっている。差し障りのある箇所は「むにやむにや」という、独特の伏せ字が使用されており、それが出てくるたびに真面目な内容であっても笑いを禁じ得ない。
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午後は雑誌を読む。むにやむにやの「むにやむにやのむにや」をよんで不愉快になつた。彼はむにやむにや特有の守銭奴である。心の非常にいやしい男らしい。
晩、夕食、風呂の後散歩がてら大塚町の大江氏のうちへ行つたらるすであつた。昨日からむにやむにやへ帰つて居るとさがみが云つたので何となく安心した。歩くと腹がいたくて困つた。帰つてから校正、十一時過就床。

(「大正8年8月6日」より)
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◎Contents
▶︎百鬼園日記帖
 大正六年
 大正七年
 大正八年
▶︎続百鬼園日記帖
 大正八年[続]
 大正九年
 大正十年[抄]
 大正十一年[抄]

「百鬼園日記帖」雑記(平山三郎)
カバー:田村義也

絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:旺文社文庫
□date of issue:1984年 初版
□size:15x11cm
□page:346
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
経年シミ

» 随筆・エッセイ
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