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貝がらと海の音(庄野潤三 著)★再入荷
庄野潤三が、自らの晩年の生活を日録風に綴った家族小説シリーズの第一作。1996年4月に刊行された単行本の文庫化。
郊外の「山の上」に居を構え二人暮らしをしている老父婦が、子や孫たちと親しく交流し、庭にやってくる鳥たちを慈しみ、宝塚歌劇の舞台を楽しむ。そんな人生の断片が淡々と綴られた文章を読むほどに、心の中に、日々の喜びや哀感が流れ込んでくる。
1994年から95年にかけての1年間の日々を綴ったものだが、その間に起こった日本を震撼とさせた天変地異や事件にはほとんど触れられていない。この小説には、庄野潤三が大切にしている「日常」のみが存在を許されているのである。
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お茶のとき、妻は私が近ごろハーモニカを吹いていることを話すと、長女が、
「お父さん、聞かせて下さい。一曲」
という。
書斎からハーモニカを取って来て、何がいいだろうといったら、妻は「旅愁がいいわ」。
で、「旅愁」を吹く。長女よろこび、
「いい音色ですね」
という。
(「本文」より)
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装画、河田ヒロ。
解説、江國香織。
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:新潮文庫
□date of issue:2001年 初版
□size:15x10.5cm
□page:424
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
郊外の「山の上」に居を構え二人暮らしをしている老父婦が、子や孫たちと親しく交流し、庭にやってくる鳥たちを慈しみ、宝塚歌劇の舞台を楽しむ。そんな人生の断片が淡々と綴られた文章を読むほどに、心の中に、日々の喜びや哀感が流れ込んでくる。
1994年から95年にかけての1年間の日々を綴ったものだが、その間に起こった日本を震撼とさせた天変地異や事件にはほとんど触れられていない。この小説には、庄野潤三が大切にしている「日常」のみが存在を許されているのである。
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お茶のとき、妻は私が近ごろハーモニカを吹いていることを話すと、長女が、
「お父さん、聞かせて下さい。一曲」
という。
書斎からハーモニカを取って来て、何がいいだろうといったら、妻は「旅愁がいいわ」。
で、「旅愁」を吹く。長女よろこび、
「いい音色ですね」
という。
(「本文」より)
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装画、河田ヒロ。
解説、江國香織。
絶版または版元品切れ
ソフトカバー ダストカバー
□publisher:新潮文庫
□date of issue:2001年 初版
□size:15x10.5cm
□page:424
□condition:経年なり・普通 カバースレ汚れ傷み
» 小説
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