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幸福の銀貨(森田たま著、石川滋彦 装幀・挿画)
☆2024.5.5 再掲
森田たまは、雑誌『少女世界』への投稿が認められ、10代の時に札幌から上京し、少女小説でデビュー。戦前戦後にわたって数多くの随筆を著し、女性エッセイストの先駆けとなった。
「幸福の銀貨」は、6編からなる童話集。南方から幅員してきた叔父さんが子どもたちに語ってきかせる海外童話風の連作物語5編と、独立した童話1編を収録。いずれの作品も、アンデルセンやオスカー・ワイルドに通じるような質感の高さを感じさせる。
カバー画と扉絵・挿絵は、洋画家の石川滋彦。本文ページには、戦後間もない頃とは思えない上質な紙が使われ、物語ごとに異なる絵が飾り模様としてあしらわれた、しゃれた装幀となっている。
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あるところに一シリングの銀貨があった。ぴかぴか光って造幣局から出てきたばかりで、彼はとびあがって、ばんざいとさけんだ。
「さあ、ひろい世の中へ出てきたぞ」
彼はほんとうにひろい世の中へ出てきたのであった。子どもがやわらかいあたたかい手で彼を持った。けちな大人は、つめたいよくばった手でつまんだ。年をとった人は何べんも何べんもひっくり返して、まえに自分の手から出て行ったものと、おなじであるかどうかを見きわめた。無分別なわかものは、なんの考えもなく無雑作に銀貨をころがしてやった。
(「幸福の銀貨」より)
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◎Contents
王様の新しい着物
莢の中の五つの豆
幸福の銀貨
ふるい街燈
鴻
ヤルマアのきいた話
絶版または版元品切れ
ソフトカバー パラフィンカバー
□publisher:國立書院
□date of issue:1947年 初版
□size:18.5x12.6cm
□page:138
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れシミ傷み
裏見返しにシール剥がし跡 背破れ
パラフィンカバー破れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
森田たまは、雑誌『少女世界』への投稿が認められ、10代の時に札幌から上京し、少女小説でデビュー。戦前戦後にわたって数多くの随筆を著し、女性エッセイストの先駆けとなった。
「幸福の銀貨」は、6編からなる童話集。南方から幅員してきた叔父さんが子どもたちに語ってきかせる海外童話風の連作物語5編と、独立した童話1編を収録。いずれの作品も、アンデルセンやオスカー・ワイルドに通じるような質感の高さを感じさせる。
カバー画と扉絵・挿絵は、洋画家の石川滋彦。本文ページには、戦後間もない頃とは思えない上質な紙が使われ、物語ごとに異なる絵が飾り模様としてあしらわれた、しゃれた装幀となっている。
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あるところに一シリングの銀貨があった。ぴかぴか光って造幣局から出てきたばかりで、彼はとびあがって、ばんざいとさけんだ。
「さあ、ひろい世の中へ出てきたぞ」
彼はほんとうにひろい世の中へ出てきたのであった。子どもがやわらかいあたたかい手で彼を持った。けちな大人は、つめたいよくばった手でつまんだ。年をとった人は何べんも何べんもひっくり返して、まえに自分の手から出て行ったものと、おなじであるかどうかを見きわめた。無分別なわかものは、なんの考えもなく無雑作に銀貨をころがしてやった。
(「幸福の銀貨」より)
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◎Contents
王様の新しい着物
莢の中の五つの豆
幸福の銀貨
ふるい街燈
鴻
ヤルマアのきいた話
絶版または版元品切れ
ソフトカバー パラフィンカバー
□publisher:國立書院
□date of issue:1947年 初版
□size:18.5x12.6cm
□page:138
□condition:経年なり・可 カバーヤケスレ汚れシミ傷み
裏見返しにシール剥がし跡 背破れ
パラフィンカバー破れ
» 小説
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