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天のシーソー(安東みきえ 著、沢田としき 装画)
小学五年生のミオと妹ヒナコ、そしてクラスメートたちが、自分たちをとりまく世界の「やるせなさ」にとまどいながら生きる日々を描く、珠玉の短編連作集。
ユーモラスな動物寓話集『頭のうちどころが悪かった熊の話』で広く知られるようになった著者は、もともとは子どもたちのナイーブな感受性を巧みにすくいとる作家で、本書はその原点とも言える作品。
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ふたりは、シーソーを漕いだ。
それぞれの罪の重さをはかるように、シーソーをゆらした。
カタン、オレのしたことが重い?
コトン、あたしのしたことが重い?
カタン、コトン。
ミオは力いっぱいからだをうしろにそらせて、佐野の側を上げた。
できたら、佐野を上げたままにしてやりたかった。
重く下がることなくどんどん上げて、空の高い場所に、まだ陽がかげっていない場所にまで上げていってやりたかった。
(「天のシーソー」より)
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◎Contents
ひとしずくの海
マチンバ
針せんぼん
天のシーソー
ラッキーデイ
毛ガニ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:理論社
□date of issue:2000年 初版
□size: 19.5x13.5cm
□page:175
□condition: 経年なり・普通 表紙スレ汚れ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
ユーモラスな動物寓話集『頭のうちどころが悪かった熊の話』で広く知られるようになった著者は、もともとは子どもたちのナイーブな感受性を巧みにすくいとる作家で、本書はその原点とも言える作品。
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ふたりは、シーソーを漕いだ。
それぞれの罪の重さをはかるように、シーソーをゆらした。
カタン、オレのしたことが重い?
コトン、あたしのしたことが重い?
カタン、コトン。
ミオは力いっぱいからだをうしろにそらせて、佐野の側を上げた。
できたら、佐野を上げたままにしてやりたかった。
重く下がることなくどんどん上げて、空の高い場所に、まだ陽がかげっていない場所にまで上げていってやりたかった。
(「天のシーソー」より)
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◎Contents
ひとしずくの海
マチンバ
針せんぼん
天のシーソー
ラッキーデイ
毛ガニ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:理論社
□date of issue:2000年 初版
□size: 19.5x13.5cm
□page:175
□condition: 経年なり・普通 表紙スレ汚れ
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