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季刊 食の雑誌:あさめし ひるめし ばんめし「特集:梅干と梅の里」- 1984年冬・第41号

季刊 食の雑誌:あさめし ひるめし ばんめし「特集:梅干と梅の里」- 1984年冬・第41号
「食通」を気取らない「くいしん坊の雑誌」と銘打って、1974年に元毎日新聞記者の佐々木芳人によって創刊された季刊誌。7号からは文芸評論家・大河内昭爾が編集を受け継ぎ、45号まで刊行された。

本号より、タイトルに冠していた「食食食」を「食の雑誌」に変更し、判型も少し縦長のしゃれたサイズでボリュームアップ。大幅なリニューアルを図っているにもかかわらず、大々的な告知を行うこともなく、「梅干と梅の里」という地味な特集が組まれており、なんとも本誌らしくて苦笑しまう。

水上勉、津本陽、三浦綾子、津村節子などの作家のほか、藤田湘子、馬場あき子といった俳人・歌人も執筆陣に迎え、滋味深い文章が並ぶ。古谷三敏の漫画エッセイ、地方のタウン誌の紹介など、新連載も楽しい。
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梅干は子供の頃、食べるのに閉口した食物である。和歌山県田辺市の親戚へ、初夏の頃遊びにゆくと、軒下に人が入れるくらいの大瓶が置かれていて、蓋をとるとなかば熟した梅が甘い芳香を放っていた。
食べてみると甘くはないが、さっぱりとした味わいである。これが塩の結晶を吹いた皺だらけの梅干になるのかと、幼ない私はふしぎな気がしたものだ。
日の丸弁当でさんざん悪印象をうえつけられた梅干を見直したのは、十二、三年まえのことであった。

(「紀州南部の梅干」津本陽 より)
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◎Contents
特集/梅干と梅の里
 古い梅干について―義経の梅干 …… 水上勉
 小峯公園の梅 …… 川崎長太郎
 紀州南部の梅干 …… 津本陽
 毎朝かかさぬ梅干 …… 津村節子
 梅干とわたし …… 藤巻あつこ
 梅干と塩梅と中国料理 …… 楊萬里
 洋風梅干料理 …… 茂出木雅章
 紀の国 梅干紀行 …… 細井冨貴子
 梅のお菓子一覧表 …… 編集部
★梅干と文学
 梅干詩歌抄 …… 大滝貞一
 梅干の俳句 …… 藤田湘子
 梅干の短歌 …… 普樹隆彦
 小説に描かれた梅干 庄野潤三『佐渡』 …… 大河内昭爾
★思い出の日の丸弁当
 一粒の梅干 …… 宮口精二
 ああ、日の丸弁当 …… 利根川裕
 戦後の日の丸弁当 …… 小坂明子
[対談]素朴が最高(沢田亜矢子/大河内昭爾)
食う寝る処に住む処 …… 小沢昭一
▶︎あさめし …… 上村占魚
▶︎ひるめし …… 馬場あき子
▶︎ばんめし …… 金田一春彦
私の好きな店(三浦綾子 ほか)
酒の肴=考現学 1 …… 古谷三敏
グルメ健康学 1 …… 本多京子
くいしん坊野菜学 1 …… 武川政江
タウン誌通信 1 …… 山本洋子
映画の中の食べもの 24 …… 淀川長治
佃煮屋 …… 吉村昭
食の本棚 ほか

表紙イラスト:蓬田やすひろ

絶版または版元品切れ
ソフトカバー
□publisher:みき書房
□date of issue:1984年
□size:22.8x15.3cm
□page:148
□condition:経年なり・普通 表紙スレ汚れ

» 旅・料理
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¥1,500

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