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塔里木秘教考(中野美代子 著)

塔里木秘教考(中野美代子 著)
☆2024.3.10 再掲
中国文学の研究者で、幻想小説を能くする作家としても知られる中野美代子が、着想から20年以上を経て、渾身の筆で書き下ろした長編伝奇小説。

1970年代の中国で国家任務に従事するウイグル族の双子、アブリムクとウスマン。そして、9世紀の中央アジアに生を受けたソグド人の双子、ウィルカークとワヌーク。

それぞれに異なる思惑をもつ4人の行動が、千年以上の時を超えて、塔里木(タリム)砂漠を舞台とした壮大な物語を突き動かしていく……。
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ある瞬間、あるひとりの顔がそんなあかりの中心にはっきりと見えた。
「ウィルカーク!」と、ワヌークは思わず叫んだ。
しかし、顔のほかは、なにもかもちがう。服装からして、袖もズボンも、筒形の卑しいかたちだし、あたまにかぶっている兜も、つるんとまるいだけの卑しいかたちだが、いやにまぶしいあかりは、その兜に固定されているのだった。

(「第4章 ターチュンにて水が火と化す井戸に出くわし…」より)
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◎Contents
第1章
ウルムチの博物館にて「古ウイグル語写本」を疑い撮影すること
第2章
サマルカンドの製紙業者の隊商に加えられ未知の東方に旅立つこと
第3章
崑崙の玉を拾いあげダンダン・ウィリクの沙漠にて砂嵐に遭うこと
第4章
ターチュンにて水が火と化す井戸に出くわし遠近の狂いに戸惑うこと
第5章
ウルムチにて恩師を喪い「古ウイグル語写本」を解読せんとすること
第6章
ホジョの仏教壁画の上にマニ教壁画を描き仏教徒に復讐すること
第7章
ターチュンの油田を発見しチケンリクの原爆基地に行かんとすること
第8章
ベシュバリクにて石綿を掘りシナ軍を追ってホジョにもどること
第9章
ベゼクリクのマニ教壁画が破壊され古井戸の紙本画のみ遺ること
第10章
ウルムチにて「古ウイグル語写本」を解読し崑崙の玉が破砕すること

ハードカバー ダストカバー 帯あり
□publisher:飛鳥新社
□date of issue:2012年 初版
□size:20.5x19.5cm
□page:332
□condition:経年なり・良好

» 小説
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