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夜の寓話(ロジェ・グルニエ 著、須藤哲生 訳)
それぞれに直接的なつながりはないが、すべてジャーナリストたちの「回想」として書かれた10作品を収めた、連作短篇集。
報道記者としての経歴をもつロジェ・グルニエが、自らの体験をもとに描き出す、事件のかげに潜むさまざまな人間模様。いずれも「〈挫折〉の小説家」らしい、陰影の濃い作品となっている。
フィクションとして書かれた作品だが、本書の「序章」としての役割を担っている冒頭の短篇「冬の旅」には、ブニュエルとダリの共作映画『アンダルシアの犬』で主演女優をつとめたシモーヌ・マルイユが登場し、実話に基づいて焼身自殺を遂げるシーンが織り込まれている。
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彼女は芝生の上をよろよろ歩いていて、夜明けのうっすらした光のなかで、炎は彼女の頭上1メートルにも達していました。彼女は痛くてわめき声をあげておりました。でもわたしが近づいてくるのを見ると、《あたしの火を消さないで》と叫んだのです。それで、これは事故ではないとわかりました。彼女は、家に火が移らないよう、芝生に出てきて焼身自殺を計ったのです。
(「冬の旅」より)
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◎Contents
冬の旅
ジゼルの靴
脱走兵たち
北京の南で
親愛なる奥様……
厄払い
死者よさらば
もうひとつの人生へ
すこし色あせたブロンド女
冬季オリンピック
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:白水社
□date of issue:1992年初版
□size:19.5x13.5cm
□page:222
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み 背ヤケ
» 小説
https://narda.thebase.in/categories/1326662
報道記者としての経歴をもつロジェ・グルニエが、自らの体験をもとに描き出す、事件のかげに潜むさまざまな人間模様。いずれも「〈挫折〉の小説家」らしい、陰影の濃い作品となっている。
フィクションとして書かれた作品だが、本書の「序章」としての役割を担っている冒頭の短篇「冬の旅」には、ブニュエルとダリの共作映画『アンダルシアの犬』で主演女優をつとめたシモーヌ・マルイユが登場し、実話に基づいて焼身自殺を遂げるシーンが織り込まれている。
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彼女は芝生の上をよろよろ歩いていて、夜明けのうっすらした光のなかで、炎は彼女の頭上1メートルにも達していました。彼女は痛くてわめき声をあげておりました。でもわたしが近づいてくるのを見ると、《あたしの火を消さないで》と叫んだのです。それで、これは事故ではないとわかりました。彼女は、家に火が移らないよう、芝生に出てきて焼身自殺を計ったのです。
(「冬の旅」より)
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◎Contents
冬の旅
ジゼルの靴
脱走兵たち
北京の南で
親愛なる奥様……
厄払い
死者よさらば
もうひとつの人生へ
すこし色あせたブロンド女
冬季オリンピック
絶版または版元品切れ
ハードカバー ダストカバー
□publisher:白水社
□date of issue:1992年初版
□size:19.5x13.5cm
□page:222
□condition:経年なり・普通 カバーヤケスレ汚れ傷み 背ヤケ
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